要旨
グリコ、明治、森永の三社の比較におけるお菓子の拍数、音素分布、調音様式の調査を行い、会社別に傾向や特徴があるのかどうかを明らかにすることが目的であった。得られた結果は以下の通りである。
・商品名の平均拍数はグリコが5.0拍、明治が7.7拍、森永が8.3拍であった。
→平均拍数に差が出た理由としては、グリコには10拍以下の商品名しかないのに対し、明治・森永は10拍以上の商品名が多くあったことがあげられる。グリコは商品名を覚えやすくするために商品名を短くしており、対して明治・森永は商品の形状や味などを商品名で表すという工夫をしているからだと考えられる。
・三社とも/k/ /r/の子音音素の割合が最も高く、/x/ /w/の子音音素の割合が共通して低かった。
→/x/ /w/の割合が低い原因としてはヤ行/j/(/C/は/x/)を含む商品名が各社共通して少なかったこと、/w/に続く母音音素が/a/のみであるからだと考えられる。
・/t/の子音音素の割合がグリコに比べ、明治・森永は高かった。
→この二社には「チョコレート」という単語を含んだ商品名が多いためであると考えられる。
・母音音素には三社とも大きな差はみられなかったが、/jo/は明治・森永に共通して多くみられた。
→/jo/が明治・森永に多くみられた理由としてはこの二社には「チョコレート」という単語を持つ商品名がグリコより多くみられるために、/jo/の母音音素の割合が高くなったのではないかと考えられる。
・調音様式において三社共通して破裂音の割合が多く、接近音の割合が低かった。
→これは破裂音に属する子音音素が多く、接近音に属する子音音素が少なかったからだと考えられる。
・グリコは明治・森永に比べ/p/の子音音素が約二倍多かった。
→グリコは愛らしい軽さなどの印象のあるパ行/p/の子音を多く用いて商品名をつけているのではないか。
本調査では、拍数・音素分布・調音様式の観点から比較をし、製菓会社が商品名に何らかの工夫をしていなかを明らかにすることが目的であった。
しかし比較する会社数が少なかったことや、商品のカテゴリーを限定したこともあり、十分にデータを集めることができなかったために、考察の根拠となるデータが不十分であることなど問題が多く残った。今後は研究対象の数を増やし、お菓子のジャンルを限定せずに調査しなければならないなど課題が多く残った。
グリコ、明治、森永の三社の比較におけるお菓子の拍数、音素分布、調音様式の調査を行い、会社別に傾向や特徴があるのかどうかを明らかにすることが目的であった。得られた結果は以下の通りである。
・商品名の平均拍数はグリコが5.0拍、明治が7.7拍、森永が8.3拍であった。
→平均拍数に差が出た理由としては、グリコには10拍以下の商品名しかないのに対し、明治・森永は10拍以上の商品名が多くあったことがあげられる。グリコは商品名を覚えやすくするために商品名を短くしており、対して明治・森永は商品の形状や味などを商品名で表すという工夫をしているからだと考えられる。
・三社とも/k/ /r/の子音音素の割合が最も高く、/x/ /w/の子音音素の割合が共通して低かった。
→/x/ /w/の割合が低い原因としてはヤ行/j/(/C/は/x/)を含む商品名が各社共通して少なかったこと、/w/に続く母音音素が/a/のみであるからだと考えられる。
・/t/の子音音素の割合がグリコに比べ、明治・森永は高かった。
→この二社には「チョコレート」という単語を含んだ商品名が多いためであると考えられる。
・母音音素には三社とも大きな差はみられなかったが、/jo/は明治・森永に共通して多くみられた。
→/jo/が明治・森永に多くみられた理由としてはこの二社には「チョコレート」という単語を持つ商品名がグリコより多くみられるために、/jo/の母音音素の割合が高くなったのではないかと考えられる。
・調音様式において三社共通して破裂音の割合が多く、接近音の割合が低かった。
→これは破裂音に属する子音音素が多く、接近音に属する子音音素が少なかったからだと考えられる。
・グリコは明治・森永に比べ/p/の子音音素が約二倍多かった。
→グリコは愛らしい軽さなどの印象のあるパ行/p/の子音を多く用いて商品名をつけているのではないか。
本調査では、拍数・音素分布・調音様式の観点から比較をし、製菓会社が商品名に何らかの工夫をしていなかを明らかにすることが目的であった。
しかし比較する会社数が少なかったことや、商品のカテゴリーを限定したこともあり、十分にデータを集めることができなかったために、考察の根拠となるデータが不十分であることなど問題が多く残った。今後は研究対象の数を増やし、お菓子のジャンルを限定せずに調査しなければならないなど課題が多く残った。