震度0 (朝日文庫 よ 15-1) (朝日文庫 よ 15-1)横山 秀夫朝日新聞出版このアイテムの詳細を見る |
♪「震度0(ゼロ)」横山秀夫著 朝日文庫
阪神大震災の朝、震源から600Km離れたN県警察本部の警務課長が姿を消した。
事件か、ワケありの失踪か?県警上層部に激震が走る!
県警のメンツ、幹部の思惑、現場と事務方のセクト主義。
課長本人の安否を案ずるよりも、それぞれの強欲と体面、権力に支配される県警幹部会議。
将来の長官と自他共に認めるキャリア組の警務部長は、幹部の権力争いを制し「激震」を鎮めようと躍起になるが・・・。
いやぁ~~~、この臨場感とスピード感!「凄い!」の一言だ。
横山秀夫という人は、なんでこんなにリアルな話が書けるんだろう。
特に警察モノは傑出している。
県警の部長会議でキャリアとノンキャリが罵り合う場面なんて、自分がその場に同席しているかのように緊張してしまう。
Bravo!!だね。
ただあまりにリアルで、読んでいて胸くそ(汚い表現で失礼)が悪くなることも事実。
キャリアとノンキャリの反目と足の引っ張り合い、県警幹部と地元フィクサーとの癒着、醜悪な幹部天下り先の争奪戦、官舎での主婦同士の追従と誹謗中傷・・・。
読んでいて、うんざり。
警察ってホントにこんなに汚い世界なんだろうか?
でも「然も在りなん」と思わせるところが、横山の真骨頂か。
実際にこんなだったら、とても我々の平安な日常を託すどころではない。
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