呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気父さんの読書感想文・その1 「プラナリア」

2005-09-25 | 本の話
☆9月某日 「プラナリア」 (山本文緒著 文春文庫)
 山本文緒は会社の同僚に勧められて、しばらく前に「パイナップルの彼方」を読んだ。同僚の「女性の深層心理をとてもよく表現していて、すごくいいですよ」の言葉通り、大変面白かった。それで山本文緒が直木賞作家とわかって、受賞作を読みたかったのだが、今回漸く文庫化された。

 本書は表題作を含む短編集。最初の「プラナリア」と次の「ネイキッド」あたりまでは、どうも呑む気父さんには重いというか、つらいというか、読み進めるのがきつかった。20代から30代の女性の赤裸々な情念みたいなものが迫ってきて、おじさんには受け止めきれないような感じがした。それほど深刻などろどろした内容ではないので少々大げさかもしれないが、私は気楽には読めなかった。
 しかしその後のいくつかの話はそれほでもなく(というか父さんが慣れたのか)、すんなりと受け入れることができた。いずれにしても男も女も、女は特に複雑な自分でも御しきれない心情を抱えて生きている、ということかな。

 最後の「あいあるあした」は、珍しく30歳代半ばの中年にさしかかる居酒屋のオヤジが主人公で、安心する。勿論話の中には二人の女性が登場し、その二人とオヤジの絡みがとても良い。「やっぱり事情を抱えて脱サラし、こじんまりした居酒屋を営むオヤジの日常は、それなりに波乱万丈であるのだなぁ~」などと妙に感心したりするのだが、こんな居酒屋をやるのも呑む気父さんの夢だな。
 でも毎晩常連=呑み仲間が集まり、一緒になって呑んだくれていたのでは商売にならない。いくら商売でも、仲間が呑んでいるのに自分だけ素面で肴を作ったりすることは私には無理だ。夢は夢のままだからいいのかもしれない。

 さて今度は山本一力の「蒼龍」を読み始めた。この作品も短編集だが、その第一篇「のぼりうなぎ」の書き出しはこうだ。

 『柝(き)が打たれたあとから、夜回りの長い韻が流れてきた。』

く~っ、たまらんねぇ~。目の前に、江戸の冬の宵闇が浮かび広がる。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒革の手帳~銀座の手羽先

2005-09-25 | 食べ物・お酒の話
☆9月某日 「比内や」(銀座7丁目)
 久しぶりに夜の銀座を歩いた。と言ってもたまには銀座で飲んだりしているのだが、表通りのそれも居酒屋ばかりなので、中心を歩いたのは本当に久しぶりだ。
 並木通りには高級車がずらりと並び、そこから着飾ったお姉さん方が颯爽と降り立ったりする。レストランのウインドウ越しには、まさにこれから同伴出勤の中年紳士とお姉さんが食事をしていたり、所用で立ち寄ったモンブランショップでは、きりっと髪を結い上げ渋い柄の着物姿のママさんが、黒服風の若者を従えて贈り物の買い物をしていたり・・・。
 昔から自分には縁のない世界である。もちろんそんなお店は分不相応であり私の稼ぎでは到底行けるものではない。それに基本的に女性が隣に侍るような店はあまり好きではない。初対面の女性といろいろ話をするのは面倒だ。
 もっとも、気の置けない40~50才台の美しいママがいる、カウンターだけのこじんまりした居酒屋なんかは理想だな。ママ手作りのお通しなんか出してもらって、ぬる燗を啜りながら、カウンター越しにママと気の利いた会話を楽しむ・・・。いいねぇ~。なんだ、女性のいる店も好きじゃないか?まあ、女性と呑むのは嫌いじゃない・・・。
 はてさて銀座の夜は未だ健在なり。黒革の手帳の本日の欄にはいったいどんなことが書き込まれることやら・・・。

 本日の行き先は「比内や」。チェーン店だが、秋田比内鶏ときりたんぽ鍋を中心としたお店だ。さすが比内鶏は歯ごたえがあって味もしっかりとしており、普通のブロイラーとは全然違う。つくね焼きも、一本ごとに卵の黄身が添えられ美味しかった。
 刺身三点盛りを頼んだら、それぞれがさっと湯通ししてあって完全な生ではなかった。それがちょっと残念。生の鶏は肉にしても肝系にしても、相当新鮮なものでないと危ないと言われるが、やっぱり生が食べたい。却ってもっと大衆的な、小汚い焼き鳥屋あたりのほうが生刺しに出会えるか。
 手羽先を食べたが、これは美味いが手も口の周りベタベタになる。それこそ初めてのデートや気を遣う相手との食事では食べにくい。学生時代に、カップルでラーメンを食べに行くのは、相手を全く気にしていないか、それなりに関係の進んだ相手の場合だ・・・という話を友人がしていた記憶がある。本日の同伴者はそのどちらでもない。でも気を遣わず手羽先にかぶりつける友人は、いいものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三崎のまぐろ、そして海洋深層水・・・

2005-09-20 | 食べ物・お酒の話

☆9月某日 三浦市三崎「ちりとてちん」
 本日の天気は晴朗なり!夏の残滓か、はたまた秋晴れか・・・。友人たちに誘われて三浦半島に「づけ丼」を食べに出掛けた。そのついでに最近流行の海洋深層水の風呂に入ろう、ということ。
 道路はそれなりに混んでいたが、取敢えず三崎に到着。今夏は海に行けなかったので、目の前に広がる海原と潮の香りが嬉しい。人間は、海にしても川にしても、水辺に憧れる。
 「ちりとてちん」は評判の店で20人近くが並んでいた。私のようにガイドブックを見て来る人が多いのだろう。マグロを中心とした割烹料理屋さんだが、私が食べたのはその名も「ちりとてちん丼」。
 これは「づけ、照り焼き、中オチ」の各子丼がセットで、それに小付け、漬物、味噌汁がついている。少々高いが三種類のマグロが楽しめて、なかなかの「実力者」だ。海藻の酢の物と漬物が先に出てきて、いつもならこれでビールをきゅっとやって、それからどんぶり・・・となるのだが、今日は運転手がいるのでみんなで我慢。「ビールをきゅっ!」は夜までお預けだ。

 「今度は電車で来ようね」と酒なしで店を出て、海洋深層水の風呂を目指した。最近、三浦半島には京急系のホテルが海洋深層水の風呂を続けてオープンさせている。このひとつ、ホテル京急油壺観潮荘に立ち寄った。
 風呂はそれほど大きくはなかったが、思ったほど混雑しておらず、塩分濃度の高いお湯にゆっくり浸かることができた。露天風呂の眼前には相模湾が広がり、ヨットやクルーザーが行き来している。なんともゆったりとした時間を過ごすことができて幸せ・・・。

 帰りもやっぱり渋滞。しかし目の前の海に、大きく明るい中秋の名月が浮かび上がる。暫し歓声。漸く横浜の友人宅に帰り着き、いざ出陣!店は「一夜干し料理・ひもの屋」。この店は随分いろいろなところにあるが、以前からその店名と店構えが気になっていた。しかし入るのは今日が初めてだ。
 この時のために風呂上りも水を少々飲む程度で我慢した。一杯目の生ビールはほとんど一気に呑み干す。それからゆっくりメニューを眺める。焼きさんまにいわし丸干し、ねぎ塩豆腐(塩味のだし汁がかかった冷奴)etc・・・。今日は昼に続き、なかなかヘルシーメニューだな。
 仙台でのイベントが終了し、多少の脱力感を伴った寂しさを感じていたが、そんな時に行動を共にできる友人たちがいることの有難さをかみ締めながら、心地よく酔った。
 大分涼しくなった帰り道、名月はすでに高々と登りつめ、私のことを見下ろしている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仙台プチ同窓会の旅~その2

2005-09-15 | 食べ物・お酒の話
☆9月11日(日) がんばれ楽天!そして夏は逝く・・・
 今回のプチ同窓会は、2~3年前から私が「やりたい、やりたい、やろう~!」と言っていたのだが、みんなのタイミングが合わず、また連絡の取れない友人たちもいて、なかなか話は具体的に進まなかった。
 ところが親友Ⅰが、なんと50歳を目前にして東北楽天球団に転職し仙台暮らしを始めたため、俄然現実味を帯びてきて、漸く実現の運びとなった。Ⅰの転職のお陰だ。多謝!
 そのため楽天イーグルスを宮城フルキャストスタジアムで応援しよう!というのも、今回のメインイベントの一つであった。
今日の相手は首位を独走中のソフトバンクホークス。「鷲と鷹」の戦いだ。Ⅰにチケットを取ってもらってみんなでビール片手にイーグルスを応援した。結果は4対4の同点から一場が城島に3ランホームランを打たれて、負け。ん~、やっぱ弱いなぁ~。
 球場に来る途中で、嬉々として球場を目指す多くの市民=楽天ファンを目の当りにした。男も女も、子供も年寄りも、ほとんどの人がなにかしら深紅色の楽天グッズを身につけ、目を輝かせながら球場に向かう。
 楽天イーグルスは仙台市民の、まさにスターなのだ。どんなに負けても「まあいいっちゃ!明日はがんばってけらい!」と暖かい拍手を送る。仙台を離れて、もう30年経つ。でもやっぱり私は仙台人。どこにいても地元の人たちと一緒の気持ちで楽天を応援しよう。楽天イーグルスはこんなに暖かい仙台人を裏切らないよう、来年はもう少し頑張ってほしい。

 この同窓会帰省では、夕飯は2日とも外で食べたので、実家では朝食のみ世話になった。うちの両親も父がもうすぐ80歳、母は75歳だが、元気なものだ。
 朝、夕べの酒を頭の芯に残しながら起きてくると、母は「パンよりもご飯がいいんでしょう」と、朝食を用意してくれた。炊きたてのササニシキに仙台味噌の味噌汁、貰い物の高級さつま揚げに仙台長ナス漬物、それにきゅうりとキャベツの塩もみ・・・。
 うちの実家のあたりには、時折山形の農家のおじさんが朝取りの野菜をトラックで売りに来る。この野菜がとんでもなく旨い、ホントに旨い。新鮮なのは勿論だが、質も東京近辺の野菜とは根本的に違うのだろうか。東京の野菜が恨めしい。
 仙台長ナスは人差し指ぐらいの大きさで、仙台独特のものだ。母に辛子を出してもらい、鮮やかな群青色のナスにちょんと付けて口に放り込む。ナス独特の酸味と渋みが口中に広がる。
 そして味噌汁。佐々重という仙台味噌の老舗がある。ここの味噌は、味噌汁を飲み干したお椀の底に豆のツブツブが残る。懐かしい味だ。妻よ、申し訳ないが味噌汁だけは、やっぱりお袋の奴が旨いなぁ~。
 母が、「庭の隅に植えてた最後の一本よ」と言って茗荷を刻み、味噌汁ときゅうりの漬物に散らしてくれた。夏の残り香のように茗荷が薫る。濃い目の味噌汁がじぃ~んと胃袋に染み渡ったのは、二日酔いのせいばかりでは、ない。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仙台プチ同窓会の旅~その1

2005-09-15 | 食べ物・お酒の話
☆9月10日(土) 『まんみ高橋』~仙台市国分町 
 このプチ同窓会には、20数年ぶりに高校時代の仲間が集まった。仙台の県立高校は昔はほとんどが男女別学で、今でもそのままだ。
 我が母校は共学化の最有力候補だそうで、その関係があるかどうか分からないが応援団も廃部の危機に瀕しており、いにしえの質実剛健の校風も風前の灯とのこと。
 しかし別学でもちゃんとグループ交際(古いね)的な付き合いはあって、それが30年後の今日の同窓会につながっている訳だから、あまり目くじらを立てる話ではないような気がする。もちろんこのグループの中で唯一結婚したH夫妻も参加。

 さてこの2泊3日の同窓会帰省中は、当然相当に呑んだくれた。1日目に集まった店が「まんみ高橋」(仙台市国分町)。仙台在住のNが探してくれた店だ。高級和食割烹のような佇まいで、インターネットでも多くの人が絶賛しており期待は高まる。
 食事は主人のお任せコースのみ。確かにとても美味しかった。「柳鰈の焼物」「天然かんぱちの御造り」そして煮物もお肉も・・・。特にびっくりしたのは「つみれ汁」で、最初何のつみれか分からなかったが「鰻のつみれ汁でございます」と言われ、みんなで感心してしまった。最後の「梅茶漬け」もあっさり上品でほんとに満足した。
 でも、やっぱり、高いなぁ~。料理だけで7,000円。それに美味しい日本酒をみんなでガンガン呑んだら、一人10,000円だった。確かに手の込んだ料理の数々であったから致し方のない値段かもしれない。しかし2度目は来るだろうか。仙台湾の新鮮な魚介類をもっと気軽に安く食べさせる店はたくさんあるだろう・・・。
 Nよ、君を責めている訳では決してないのだよ。みんなで約30年ぶりに集まるのだから、いい雰囲気の店でといろいろ気を遣ってくれたんだよね。本当にありがとう!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東海道品川宿

2005-09-09 | 徒然なるままに
☆9月7日(水) ジムの帰りに気がついた
 こんな私でもたまにはスポーツジムに通っている。
今日ジムの帰りにトボトボと京急青物横丁駅に向かって歩いていたら、すっかりシャッターの下りた商店街の街灯に「東海道品川宿」とあるのに気がついた。
 「そうだよ、ここは旧東海道なんだ」と思い至り、妙に感心し嬉しくなった。以前から東海道には多少の興味があり、数年前に「東海道を走破する」夢を持った会社のH先輩と藤沢から平塚を目指して歩いたことがある。
 9月の残暑厳しき折で、結局茅ヶ崎で「今日はここまでにしようか・・・」と二人でリタイア。スーパー銭湯で汗を流し、ビールを呑んで帰ってきてしまったが、今でも東海道筋には一里塚が残っていて、普段では気づかない古い史跡などを見ることができた。
 品川あたりの旧東海道を歩いてみたいなぁ、と常々思いながらそのままになっており、なんとなくめぐり合わせのようなものを感じたのだ。

 旧東海道もそうだが、古い町並みとか史跡とかを訪れると、私は何百年も前の風景を空想することがある。(妄想癖?)
 ご存じない方には恐縮だが、以前住んでいた目黒近辺のこと。JR目黒駅から西に向かって権之助坂を下ると目黒川があり、その先は山手通で左角に大鳥神社がある。さらに左奥に入ってゆくと有名な目黒不動尊があり、さらに奥は林試の森公園。
 この辺を歩いていると、江戸時代はどんな風景だったかと空想が膨らむ。多分に池波正太郎の「剣客商売」の影響があるのだが、目黒不動尊の周りは茶店などあってそれなりに栄えていたようだが、その奥に進むと雑木林と草原が広がり、農家が点在するだけでなにもなかったのだろう。
 現代でも相当の高低差のある目黒通りだが、その当時の曲がりくねったあぜ道(獣道?)をさらに上り下りして南西に進めば多摩川に至る。途中には「鷹番」の地名も残り、殿様の鷹狩場や鷹匠の訓練場であったらしい。
 鷹狩りに疲れた殿様が付近の農家によって秋刀魚を馳走になる・・・で、落語「目黒の秋刀魚」に話が結びつくのだが、秋刀魚は旨い!の話はまた今度。でもなんとなく殿様が馬を引かれて草原の中の農家に入ってゆく光景が目に浮かぶ。周りは薄野かな。

 旧東海道の商店街もなかなか風情がある。今度の休みはカメラ持参で散歩してみようか。多分一里塚や古い石碑など江戸時代の面影がいくつも見つかるに違いない。

追伸)
このままじゃ、呑む気父さんにならないので、一言。今週は一回も外で飲んでいない。もっとも、いつもいつも外で呑んだくれている訳ではないのだが、特に今週は控えめ。明日から大イベントが始まるので多少は節制している。
明日は呑むぞ~!

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反省だけならサルでもできる!(その2)

2005-09-07 | 食べ物・お酒の話
反省はさらに続く・・・

☆9月1日(木) 『魚がし・浜ちょう』~渋谷区道玄坂 
 さすがに昨日の今日では呑みたくなかった。しかし新都心支店の研修を終え、それこそ10数年ぶりの後輩Sに声を掛けられれば、断るわけにはゆかぬ・・・。
 Sの行きつけの店が渋谷にあるというので向かったが、満員で入れなかった。それで私がたまに行く井の頭線沿いの「浜ちょう」へ。
 「浜ちょう」は昨日一緒だったOなどと昔から来ていた。ここも魚が美味い。それと自家製玉子焼きが、厚くて熱々でフワフワして実に美味い。昔、誰か(女性)が「男の人って厚焼き玉子好きよね」と言っていたが、確かにそうかもしれない。特にお袋の味というわけではないのだが・・・。
 今日は「さんま刺身」「関アジ刺身」「たかべ塩焼き」「いかわた焼き」etcで、酒はビール+「烈(山形)」と「鳳凰美田(小山)」。たかべという魚は旬らしく初めて食べたが、上品な味わい。鳳凰美田は旨い!
 「いかわた焼き」については、北海道に6年もいた私にはウンチクがあるが、それはそのうちに・・・。

 あとから後輩のTも加わり、やはり仕事の話が中心。しかし若い連中の前向きな論議は聞いていて清清しく頼もしい。そういうところは完全に中年のオジだなあ。呑気父さんには迎え酒であったが心地よい呑みであった。



☆9月2日(金) 『だるま寿司』~目黒
 「今日の今日こそ帰ろう!」と反省ザルが誓いを固めていたのは、午後3時まで。夕方が近づくと、例によって勝手な自己都合が優先してくる。
 「明日は休みだしなぁ。」
 「だるまにもしばらく行ってないしなぁ」
で、目黒駅途中下車決定!

 「だるま寿司」で最初に呑んだのは、実は学生時代でもう27~8年前になる。先輩に連れてゆかれたが、学生時代に寿司屋のカウンターで呑むなど贅沢の極みで、その後行くことは一度もなかった。
 5年前に20年ぶりで目黒に引っ越してきたため、今度は中年呑気(のむき)父さんとして通うようになった。髭のオヤジさんの顔は覚えていた。昔から変わらない。
最初はカウンターの隅で本や新聞を読みながら寿司を摘んでいたが、オヤジさんの寿司や魚に関するウンチクを聞かされているうちに半常連のように通うようになった。
 このダルマのオヤジさん、寿司はもちろん美味しいが、私の好みを覚えてくれて「今日はホッキ入っているよ」とか「鯖のしまり具合がいいところなんだ」とか言ってくれるのが嬉しい。これが寿司屋の楽しさであり、醍醐味だ。
 この日は「さんまの唐揚げ甘酢和え」「岩がき」で呑んで、「しめ鯖」「いさき」「かつお」を握ってもらう。最後はかっぱ巻きに浅蜊の味噌汁。
 ここに来るたびに自分ひとりで美味しい寿司を食べて、妻には申し訳なく思う。1年以上連れて来ていない。
 なに、一度でも妻を寿司屋に連れて行くなんてエライ?う~ん、それもそうですかなぁ。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反省だけならサルでもできる!(その1)

2005-09-06 | 食べ物・お酒の話
直近の呑んだくれ状況をまとめて報告する。

☆8月28日(日) 中央区八重洲の某居酒屋 
 北海道支店時代の仲間が集まった。きっかけは、今は仙台支店の課長をやっているKが月曜からの研修の前泊で上京したため。Kとは同じ仙台出身で高校も隣同士という奇遇で、北海道時代はよく呑んだ。Kは何年か前に仙台に転勤願いを出し、受け入れられて今では仙台に家も建て、悠々自適(でもないか?)。
 Maの知っている店に行こうとしたが日曜で休みだったため、向かい側の居酒屋のお兄さんの「美味しい魚あるよ!」の呼び込みにつられ入ったが、肴に特筆すべきもの、なし。まあ久しぶりのメンバーが集まって呑む会だし、それほど飲み食いに拘る連中でもないので良しとする。
 こういうメンバーだとどうしても話は仕事のこと。みんないろいろ苦労を抱えているようだ。Mは合併前に退職し、今は外資系に席を置く。同業だが、果たして今の彼の心境はいかに。聞いてみたかったが、なんとなく聞きそびれてしまった。

 5人で焼酎のボトル2本を空にしたところでKの研修所門限が迫り、再会を約し解散。川崎に着いたのはまだ11時前だったが、どうも物足りない。物足りないはずはないのだが、体が欲している。ついついラーメン屋に入り、ビールと坦々麺を注文してしまった。
 この「呑んだ後にラーメン食いた~い」症候群は一種異常な心理状態の下に現れる。素面のときは「それだけはやめよう」と思っているのに、酔っていると「まあ今日ぐらいはいいや。明日からは絶対やらないぞ!」となる。もう我慢できない。ラーメンのいい匂いなぞしてこようものなら、絶対に我慢できない。
 ラーメンを食べ終わって店を出た途端から、あまりにもお腹いっぱいで、もう後悔している。食べ過ぎで気持ちが悪く「なんで日曜の夜中に、こんなにお腹いっぱいまで食うんだぁ~!」と、自分の意志薄弱さを呪いながらトボトボ歩く。
 もう何百回同じことを繰り返しているのだろう。



☆8月31日(水) 『金田』(目黒区自由が丘)
 体調を崩していた友人のOがだいぶ元気になったというので、H夫妻とともに自由が丘の「金田」に行った。Oとはちょうど1年ぶり。この日のために(というか日曜の呑みすぎが影響して)月、火と酒を抜いた。画期的である。
 「金田」はご存知の方も多いと思うが、いわゆる「正調日本の居酒屋!」という一店だ。創業は昭和11年ということで、まさに老舗居酒屋。
 新入社員のころ自由が丘に勤務したことがあり、その時以来たまに寄っている。一人でてカウンターに座り、新聞や本を読みながらちびちび呑んでも全く違和感がない。(こういう呑み方、好きなんだよね)
日本酒は菊正宗のみで、昨今の地酒ブームとは一線を画す。肴は、これまた正調居酒屋メニューであるが、結構手が込んでいて揚げ物も煮物も旨い。「金田」未体験のご同輩には、ぜひお勧めする。ただしいつも混んでいるし、ラストオーダーが9時半ぐらいなので、早い時間がよろしいと思う。

 結局この日は平日だというのに、「金田」の後にはす向かいの焼鳥「かとり」でレモンハイ3~4杯、さらにバー「レイラ」でクエルボロック(テキーラ)1杯と、大いに呑んだくれてしまった。挙句の果てに武蔵小杉のホームでi-pod聴きながら寝てしまい、終電に乗れず・・・。
 自分に腹を立てながらタクシーを拾おうと駅の外に出たら、目の前に博多ラーメンの赤提灯・・・・・・。「冗談じゃねぇ~や、まっすぐ帰れっかぁ!」とばかりに飛び込む。ビールに煮卵に高菜ラーメンを注文。あ~、3日前と同じだぁ~。
 またお腹がいっぱいになってタクシーに乗り込む。「反省だけならサルでもできるよなぁ。俺はサル以下かなぁ。」と反省だけはする。でも以外にこの博多ラーメンが旨かった。中州で食べているよう。
 「今度は素面で食いにこよう!」・・・どこが反省?
 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真夜中の鮎

2005-09-04 | 食べ物・お酒の話
☆8月23日(火) 
『なかい』~大田区蒲田

会社からの要請もあり都市対抗野球の応援に行った。応援するのは我が故郷仙台市の七十七銀行。試合は同点のまま延長15回裏に七十七が満塁走者一掃の逆転サヨナラ二塁打で劇的勝利。これは祝杯を挙げねばなるまい。
といっても試合が終わったのは23:00で、もうやっている店はあまりない。で、帰り道でもある蒲田の「なかい」に行った。到着が23:30を過ぎていたが、「なかい」はラストオーダーが0:30なのでしばらく飲める。
この店は2度目だが、何を食べても美味しい。特に魚は新鮮で、刺身でも焼きでも煮でも旨い。地酒もなかなかいいものが揃っている。折角マスターが勧めてくれた銘柄を2杯も飲んだのに名前を忘れてしまった。

しばらく前にTVで鮎を見て食べたいと思っていたが、なかなか出会わなかった。ところがこの真夜中の「なかい」に、あった。うれしいこと至極。塩の効いたパリパリの皮とほのかな甘みの身、上品な苦味のワタがそれぞれ調和していて、きりっと冷えた吟醸酒にことのほか合う。幸せ。
真夜中に鮎を出してくれた「なかい」に感謝。そして私にこの店を教えてくれて、こんな時間まで付き合ってくれたYに多謝。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻婆豆腐にカクテルに、そしてJAZZ

2005-09-04 | 食べ物・お酒の話

☆8月19日(金) 
『福満園』および『Wind Jammer』(横浜中華街)

旧湘南支店の飲み仲間~我々はPJTメンバーと呼んでいるが、なんのPJTやら~で暑気払いをやることになった。私が「暑気払いなら辛い中華でしょう!」と主張したものだから、Oが中華街の「福満園」という店を予約してくれた。この店は彼女も初めてだったようだが、飲み放題付で一人5000円とやたらに安い。Oも「大丈夫かしら」と心配していたが、行ってみればなかなかの実力。
メニューのすべてが私の希望した四川中華ではなかったが、最後のほうに出てきた麻婆豆腐は本格的四川風だった。真っ赤なラー油が浮いて山椒がビリビリと効いた辛い麻婆豆腐に大満足で、ビールも紹興酒も進む。

2次会はこれまたOに導かれ「Wind Jammer」にやってきた。私は2度目だが、この店はジャズのライブをやっていて。なかなか渋い感じのいい店だ。その日もベテランのギターを中心としたカルテットが演奏していたが、なにせ金曜の晩で店内はジャズなんかどうでもいい若いカップルばかり。せっかくの演奏も、頬寄せ合って囁き合う二人には遠いBGMにしか過ぎず、店全体が盛り上がっていなかった。カルテットもイマイチ気が乗らず・・・という感じで、ジャズ好きの呑気お父さんには残念であった。
でもここで呑んだオリジナルカクテル「ジャック・ター」がことのほか美味しかった。これもOのお勧め。女酒豪、と言ったら本人に怒られるが、彼女は飲むことも食べることも良く知っている。この「ジャック・ター」、何が入っているのか良く判らなかったが、柑橘系の甘酸っぱさプラス結構強いアルコール度でなんとも美味しく、2杯も呑んでしまった。家に帰ってからインターネットで調べたら、ラム+ライムジュース+サザンカンフォートで、ベースのラムはロンリコ151という75.5%のものらしい。クラッシュアイスがたっぷり入っているので、それほど強くは感じなかった。インターネットでも評判が高く、PJTのみんなも下戸のKを除き絶賛。Kは普段下戸のくせに梅酒ロックは飲めるという変わり者。

このPJTメンバーはみんな年齢も近く(というか私が一人突出して高年齢・・・)気が合う。みんな会社合併の余波で疲れているので、たまには集まって愚痴でも言い合おうよ、という仲間だ。昨年は温泉旅行に行った。なんか古臭い表現だが、何も考えず温泉に浸かってドテーっとするための旅行だったのでみんな満足した。「今年も行こう!」といつも集まるたびに盛り上がり日程の検討に入るのだが、呑んだくれてしまい具体的計画まで進んだためしがない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日から「粋酔記」スタート!

2005-09-04 | 食べ物・お酒の話
もともと太めの体型であったが、学生時代の一時期を除きこの約30年間毎年着実に体重が右肩上がりに増加してきた。そして1年ほど前から我が体重は『ミケタ』になり、特にこの半年ほどはタバコを止めたことも影響したのか、『フタケタ』に戻らなくなった。

『ミケタ』?・・・ん~『ミムラ』なら可愛いしお友達になりたいよなあ・・・
何言ってんだぁ~、『ミケタ』なんてごまかすんじゃねぇ~!
ただの100㌔だろう!!
そうも言う・・・ 

私は美味しい物を食べて、美味しいお酒を飲んで、気の合う仲間と気持ちよく酔うことが何よりも楽しみだ。運動もせずに30年間こんな生活をしてくればミムラ、いやミケタは当然だろう。やはりこれからも末永く美味しいお酒を飲むためには、50を前に少々摂生しなければならぬかなぁ。
そうだ!自分の自堕落な生活を自戒し自省し自重するために日記を付けよう。それも飲み食いを中心に。そうすれば私も少しは反省しフタケタへの努力をするようになるかもしれない・・・。このブログを読んだ方もぜひ辛口のコメントをお寄せいただき、私の「自重」をお手伝いいただきたい。
ということで、これから『微酔日記』を始める。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする