Yurikamomeさんにお誘いいただいて、神奈フィルの「第九」を聴きに行った。
神奈フィルの第九は、今年で3年連続だ。
一昨年は、合唱がやりたくていろいろ探している時に、神奈フィルが合唱団を応募していると聞いたので、どんなものか聴きに行った。
去年は僅か半年で休団(実質退団)する羽目になり、自分が出るはずだったステージを観に(聴きに)行った。
そして今年は・・・、どうしようかなぁ、とウダウダしていたらYurikamomeさんのお誘いをいただいて、やっぱり聴きに行くことにした。
第一楽章が始まった途端、今年1年、というか妻のことが一気にフラッシュバックした。
第九の各楽章は激動の今年を象徴している、そんな気がして胸がいっぱいになった。
第一楽章
これから訪れる人生最大かつ最悪の出来事の、まさにイントロダクション。
嫌な予感を掻き立てるような不安定な響きで始まる。
神様は、いかなる意思を持ってこの運命を授けたのだろうか。
神も苦悩し葛藤したのではないか、そんな激情のメロディーが続く。
第二楽章
いよいよ神は決断を下した。
弦の激しい動きにティンパニーが落雷のように響く。
最後の日の妻の呼吸困難で辛そうな表情が嫌でも思い出される。
人工呼吸器を付けて、大きく全身で呼吸をしていた。
やがて呼吸が機械の動きにあわせて落ち着くと共に、妻の心臓は静かにゆっくり鼓動を止めた。
それでも主治医は何度も何度も心臓マッサージをしてくれた。
一旦は心臓も動き始めるが、またすぐに止まってしまう。
主題のリズムの刻みは、心臓マッサージのテンポを思い起こさせる。
第三楽章
神により天国へ召された妻。
妻は5年に渡る肉体的苦痛や精神的苦悩から漸く解き放たれた。
まさに第三楽章は妻の安堵だ。
あの安らかな表情・・・、とてもさっきまで苦しんでいたとは思えない。
不思議なものだ。死は人から苦痛を取り去り、安寧を与えてくれるのだろうか。
第四楽章
出だしこそ不安げな激しい感情に満ちたメロディーだが、次第に落ち着きを取り戻し、一人また一人と集まり語り歌い始める。
大勢の人々の歌声が一つになり高まってゆく。そして「歓喜の歌」へ。
僕には、たとえ妻がいなくとも、これからもいつになっても家族は一緒、永久にともに、みんなで愛し合って生きていこう!という歌に聴こえる。
いつまでも悲しんでなんかいられない、元気を出して生きて行こう!
マエストロ現田と神奈川フィルのプレストは、イキイキとそして激しく天国に駆け昇った・・・。
今日のコンサートで、僕は勇気と元気を貰った気がする。
やっぱり聴きに来て良かった。
(すみません、個人的思いの強すぎるインプレッションになってしまいました。冷静な感想はまた別途・・・)