”しんさん”のよもやま話

僕のビジネス感や社会現象に対する意見とかを趣味のヨットやゴルフ等の話を織り交ぜながらよもやま話的に発信します。

しんさんのよもやま話・・・ビジネス編(92)

2006年07月19日 23時09分01秒 | ビジネス
7月19日(水)雨のち晴
さて今日はビジネス編戻るわけですが、別にテーマがある訳ではありません。そこで先週までこれからのビジネスと言うテーマでどちらかと言うと心構えのような話ばかりだったと思いますので日本のビジネスについて考えてみましょう。
日本のビジネスと言うとやっぱり世界に通用するのは製造業です。ところがこの製造業も最近特に中国製品に押されっぱなしです。ところが同じ製造業でも依然として世界のシェアを独占しているような物もあれば、価格面でとてもかなわなくなった製造業とあります。たとえば金型、工作機械、特殊電球・・・・などは相変わらず強いですよね。一方家電、IT製品、繊維製品などは次から次へと安い商品が出てきて国内企業は太刀打ちできない状況です。ではどうして価格が安くなって利益が出せない製品と安定的に利益が出せる製品があるのでしょうか?価格が安くなる商品は中国をはじめとするアジアで生産されるものばかりです。特にディジタル製品はもうアメリカや日本のような賃金水準の高い国では製品化できなくなってきています。家電製品やパソコンを分解してみるとその構造がよくわかると思いますがCPU・メモリ・HDD・・・各部品がそれぞれ規格化されていてそれらをどう組み合わせるかだけでいろいろな製品ができがっています。そしてそれぞれの部品は特殊な技術ですが組み立ててできあがった製品はすぐにまねすることができるものばかりです。一方日本がいまだに強い製品をみてみると金型のような職人技への依存度が高い製品や一つの機能を実現するのに複数のモジュール間の調整を必要とするものがほとんどです。要するに機能が単一で規格化されている部品の集合体である製品は中国にはかなわないけれども、複数の部品の調整によって一つの製品となるようなものは簡単にマネできないので安定的に利益を確保できるため日本の製品が市場から追い出されるまで至っていないと言うことだと思います。
と言うことは高度な技術で提供される部品レベルの物と複数の部品を使って一つの機能実現するための調整を必要とするような物がこれからの日本の企業の主力製品でありうると言うことになると思います。従ってこれからの企業にとっての戦略は製品の機能が複数の要因を組み合わせた調整ノウハウを持つ製品に作り上げて行くことであるし、企業で働く人はこの調整ノウハウをいかに引き継いでいくかが非常に重要になってきます。
最近団塊世代が抜けるとノウハウを持った人がいなくなってしまうと言った企業のことがよく話題にあがります。そして片やノウハウをマニュアル化してあるから大丈夫といった安易な考えも平気で横行しています。確かにある程度まではコンピュータに記憶させて実現できるかもしれませんが、人間の経験による感覚やノウハウはすべて言葉で表現できるようなものではないと思います。自分が長年の経験で得たノウハウはやっぱり経験しながら伝えていくしか方法がないような気がします。その点はスポーツの世界とまったく同じような気がします。ヨットでも舵を切るタイミングとセールを引くタイミングは潮の流れ・風の強さなど複数の要因の上に成立つ感覚を言葉で表すといってもとても無理なことです。要するに暗黙知は100%形式知にすることはできないと言うことです。
きょうはここまでです。ここまで読んでくれてありがとうございます。おやすみなさい。
コメント
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