今朝(2005年7月1日)の新聞では、「国土交通省が、大津市に計画している大戸川ダムの建設を事実上中止する方針を滋賀県と同市に伝えていた」(『京都新聞』)と言う。着工済みの国直轄のダム建設が中止されるのは全国で初めて。 私は、土木技術者ではないので、ダムの構造云々、は殆ど分らない。しかし、若い頃(20歳後半から30歳前半)から、京都府の由良川のダムを調べたり、「国土研」で木村春彦先生(京都教育大学名誉教授)等とヨーロッパで崩壊したマルパッセダムやバイヨントダムを現地に調査に行ったりして、当時のやり方では、ダムを続けるのはムダと感じていた。例えば、由良川で言うと、上流から土砂がダムでせき止められて河口や海に運ばれなくなって「天橋立」の砂地がやせ細っていたし、ダムで行く手をはばまれ鮎が上流に上れなくなっていた。既設の天竜川のダムも土砂で埋まってどうしようもなくなっていた。川は、(当たり前だが)水を供給するだけのものではなく、土砂も供給し、魚も上下し、それを求めて鳥や熊も近づき、総合的なものなのである。水供給(電力供給)だけの単能的ダムでは、生態系が乱れて駄目なのである。ここにきて、人口が減り始め、水も余り要らなくなってようやく国土交通省も「止めようか」となってきたのだ。もっと他のダムも検討し、仮に必要でも、総合的機能が持てる工夫をし、止めるものは早めに止めたらよいと思う。
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