東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

錦絵 江戸乃花名勝会 今戸 より

2010-06-05 22:25:20 | 今戸焼(浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1010474_3 張交絵(はりまぜえ)と呼ばれるスタイルの錦絵。今戸焼のおかめの火入れが描かれているので採り上げてみました。今戸焼に関わる部分のみについて記したいと思います。

まず左上の窓から。

「あね さあん 本所かえ いいえ ワチキャ 今戸」 「瓦焼??生い業とした? 是を今戸屋記といふ ............ 今戸ばし 渡る人より潜る人」

「あねさん本所かえ」は歌舞伎の変化舞踊「六歌仙容彩」(ろっかせんすがたのいろどり)のなかの「喜撰法師」(清元)の件、「あねさん おんじょかえ」の地口でしょう。「伊勢音頭」「深川」「かっぽれ」など大道芸の音曲に残っています。山谷堀は幅が狭いので、屋形船は通ることができず、猪牙船という小型の船で吉原へ上り下りしたといいます。今戸橋を渡って北上する人より猪牙で橋を潜る人が多いというところでしょう。

下段右の窓

「今戸乃彩烟  待乳沈んでこづへ 乗こむ今戸はし 土手のあいがさかたみがハりの

夕しぐれ 君をおもへば 逢わぬ昔がましぞかし どうしてけふは ござんした そういふ初音をききにきた」 

「待乳沈んで梢乗りこむ山谷堀(今戸橋)~君を思えば 逢わぬ昔がましぞかし どうして今日はござんした そういう初音を聞きにきた」これは端歌の「柳橋から」でしょうか?藤本二三吉のレコードにも同じタイトルで「君を思えば~そういう初音を聞きに来た」というところが録音されています。瓦を焼くだるま窯と松の枝。松の枝を焚いていぶして瓦質の仕上げにしたといいます。杭に止まっている鳥は都鳥ではなくて「せきれい」のようですね。

そして右上のタイトル部分

今戸焼のだるまの火入れらしきものと鉢らしきものが見えます。 「竹や」とあるのは「竹屋の渡し」に絡んでいるのか?緑色の竹かごにようなものは何なのでしょう? 「鯉 大七」という木札は話に聞く、料亭の「大七」ですか?歌舞伎の「法界坊」にも同じ名前の料亭が出てきますが、向島だったような、、、。 「志そ巻」と書かれた経木の箱。唐辛子の絵が見えるので、以前「今戸焼⑯ 都鳥の向付」の記事への都月さまのコメントにあった「焼唐辛子屋」の「濱金」と関係あるのかどうか?

  


今戸焼(24) おかめの火入れ

2010-06-04 23:10:57 | 今戸焼(浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1010465 今戸焼の定番ですね。錦絵にもよく描かれているもの。「今戸焼(21)河童の火入れ」同様に、中に灰を敷き、火種を入れて、煙草の吸いつけとして使うと同時に手あぶりにもなる器物です。

作りとしては河童の火入れ同様、素焼きに胡粉の下地を塗り、その上から泥絵具で彩色したものです。余りにも有名なものなので、ひと目見るだけでいかにも今戸という感じですね。

今戸焼の土人形の作者といわれた尾張屋・金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)も作っていたそうですが、もっと手の込んだ仕上げだったようで、この火入れの作者はわかりません。最近の出来のものに比べて幾分すらっとしています。今戸の「おかめの火入れ」としてイメージが焼きついているのですが、フォルムは何を意味しているのか、というと不思議な感じがします。浅学のため、この言われについてよく知りません。

古い書物のどこかに書いてあるのでしょうか?

わからないので、自分なりの推理ですが、まず、おかめといえば、お酉さまの熊手につきものです。手ぬぐいで頬かむりしているのは何故か?また、お面の下のひだ状の彫りのあるところは、単に達摩さんの座禅姿を真似たものなのか?地方の郷土玩具で張り子のおかめだるまというものも結構あるのですが、、。しかし張り子のおかめだるまだと全体を赤く塗ってあるのが多いです。どうして頬かむりした手ぬぐいとひだ部分を塗り分けてあるのか?

おかめは江戸の里神楽にも必ず登場するし、お酉さまの熊手にもついている。お酉さまの裏手は吉原の遊郭があり、そこでは「にわか」という芸能が名物になっていた。歌舞伎などの芝居をパロディーにした「にわか」などもあって、その趣向というものが通な人たちのこだわりのひとつだったのでしょう。その趣向に「見立て」というものがありますね。いくつかのものを組み合わせて、別のイメージを作る(見立てる)。 吉原の「にわか」の時に限ったものではないかもしれませんが、見立ての飾りというのがあったのではないかと思うのです。2007_0101_000000p1010463

おかめのお面とかぼちゃ(唐茄子)と手ぬぐいを使って、おかめが頬かむりしているような見立ての飾りを作った。その意匠を写したものではないかと思うのです。だから、茶色く塗ってあるところはかぼちゃなのではないかと思うのです。(ご存じの方のご教示お待ちしています。)

「おかめかぼちゃ」という言葉を聞いたことはあるのですが、どういう語源なのかわかりません。

この火入れの茶色の部分には「きら」(雲母粉)を混ぜて塗ってあります。面描きも何か素っ頓狂な表情で笑ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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