東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

地塗り・きら塗り

2016-04-08 09:33:26 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 かねてからご依頼により抜き貯め焼き貯めしておいた「丸〆猫・嘉永安政風型」の地塗りの作業をしています。

今更言うまでもなく。土人形でも張子でも伝統的な作りでは土や紙の木地の上に膠液で溶いた胡粉で地塗りをして肌合いを丸く温かみのある地をつくることから彩色が始まります。それ以前に胡粉の厚みによってモデリングを行うということもあり、「盛り上げ」といって、部分的に凸凹をつくる装飾もありますね。また白い地をつくることで顔料や染料の発色を美しくさせるという意味合いもあります。

 素焼きの表面に疵があったりすれば、昔の人だと反故紙をちぎって貼り上から胡粉で塗って疵をなくすということをしていました。自分でもそのやり方はやっていますが、反故紙の代わりに「薄美濃紙」をちぎって使っています。この紙とても薄いですが丈夫です。(結構安くないですが、、。)人によってはパテみたいなペースト状の素材を擦り付けて埋めるというやり方をしているみたいです。

 胡粉と膠の使い勝手というのは本当に難しくてこれまでずっと使っていますが、未だこれでいい感じというのがありませんね。

胡粉をひととおり塗って乾いたところで、これらは「嘉永安政風」ということでさらに「きら」(雲母粉)を上から塗って肌をパール状にします。同じ丸〆猫でも昭和戦前風とか尾張屋さん風だと胡粉の白い地を残しているんですが、今戸でも古い時代の人形では白地部分にきらを塗ってあるというケースが多いので区別して塗っています。画像の中で塗ったものとまだ塗っていないものと混ざっているんですが、画像から区別つきますでしょうか。

最後の画像は江戸時代の今戸の座り猫なのですが、地肌に「きら」(雲母粉)を塗っているという一例です。

 

 

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4 コメント

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丸〆猫 座猫 (いまどき)
2016-04-11 22:30:20
春さま
ありがとうございます。試し塗りをしています。よだれかけの地色は「白緑青」っぽいのと「くさのしる」っぽいのと塗ってみました。砂子の蒔き方も研究といったら大袈裟ですけど試しています。江戸の座猫ですが、この画像実物より数倍大きく写ってます。実物は6~7㎝くらいの高さです。座猫のこれまで作った型はあるんですが、この猫目の彫とか鼻梁の幅太さなど従来の座猫と違うので時間みて型を起こしたいと思っています。この彩色は御殿玩具の影響があると思います。
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Unknown ()
2016-04-10 18:05:03
増殖中の猫たち、おとなしく出番を待っていますね。いまどきさんの手でどうなるか、すっかし安心してゆだねている感じです。
江戸の猫ちゃんは、存在感がありますね。この猫ちゃんも復刻する予定があるのですか?
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きら (いまどき)
2016-04-09 11:48:11
こりんさま
ありがとうございます。左3体がきらを塗り済み。右側前後3体は塗り待ち状態です。この画像では差が見えにくいですね。
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きら (こりん)
2016-04-08 11:06:25
こんにちわ。
前の3体がきらを塗ってあるのですか?
土人形が好きになって何体かかったのですが
パール状に光っているのがあって、素地が違うのかと思っていました。
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