goo blog サービス終了のお知らせ 

生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1395 ・日本は固まってしまったのか

2012-10-16 06:56:08 | 日記
 お早うございます。米国西海岸を2週間ほど旅して、昨日遅く帰国しました。本日10月16日から「生き生き箕面通信」を再開させていただきます。またお付き合いをお願いいたします。本日の1395(121016)号は、2週間の留守の間に日本がどうだったのか、「ほとんど止まったままではないか」と、野田政権への”お灸”をお届けします。

・日本は、固まってしまったのか

 2週間分の溜まった新聞を大急ぎでめくってみました。そこから見えてきた日本の政治状況は、2週間前とほとんど同じ「固まってしまった日本」の姿でした。

 国政は、課題山積です。経済を立て直し、失業を少しでも解消して、国民生活に安定を取り戻すことが何よりも優先されなければならない。原発ゼロ社会への道のりを明らかにする。TPP(環太平洋経済連携協定)への対応。普天間基地問題。領土にからむ日中、日韓、日ロなどの外交問題。1票の格差是正。野田政権は、地方自治体へ渡さなければならないカネも交付を遅らせています。どれもこれも先送りばかり。出発前と何も変わっていません。解散総選挙に追い込まれるのがコワくて、国会すら開こうとしない。

 政権運営に責任を持つはずの民主党は代表に野田氏を再選し、野党第一党の自民党も新総裁を選出。新執行部体制もそれぞれ整ってから、2週間以上も経ちました。しかし、何もしないままただズルズルと時間だけがムダに過ぎています。一体何を考えているのでしょうか。国会を開く日程すら決める能力がないようです。野田政権の無能力の極みは、国民の大損失です。 

 彼ら政治家は、国民の税金から報酬を受けています。私たち納税者は、こんな体たらくの政治家に多額の税金を無駄にされています。それでも、黙って耐えている国民の辛抱強さとでも申しましょうか。世界に辛抱賞があるなら、ノーベル賞級です。

 この間、大手マスメディアはどうしていたのか。朝日新聞社説が、「動かぬ国会 職場放棄はもうやめよ」(10月12日付け)と主張した程度。

 本来、働かざる者、食うべからず、です。国会議員、とくに民主党議員は、報酬を返還すべきです。それがいやなら、さっさと国会を開いて働くべきです。政権党が「選挙がコワい」ということは、国民のために働いていないからではないですす。




 

記事のタイトルを入力してください(必須)

2012-10-06 01:52:33 | 日記
おはようございます。いま米カリフォルニアのヨセミテ公園に来ています。昨日はヨセミテ渓谷の雄大な景観を堪能しました。朝の10時前、インターネットで日本の各紙社説を読んで「箕面通信」を書いています。
生き生き箕面通信1394(121005)をお届けします。

・原発再稼働で「責任なすり付け」の野田政権

 原発再稼働問題で野田政権がまた責任逃れをしようと、恥も外聞もなく画策しています。再稼働するかどうかの判断を原子力規制委に丸投げして、自らの責任を回避しようとしているのです。結局、再稼働の責任はだれが取るのか、あいまいなままです。それでも「政治を前に進める。決める政治を遂行する」というのでしょうか。

 10月5日付けの朝日新聞社説のタイトルは、「再稼働の是非ーー政治は丸投げするな」でした。「原子力規制委が合格点を与えても、ほかの電源でまかなえるなどの条件が整えば、再稼働する必要はない。その判断は政治の仕事である」と、強調しました。

 東京新聞社説は「原発の再稼働はだれが判断するのか」をタイトルとし、野田政権の原子力規制委への「判断丸投げ」に疑問を呈しました。「こんな最重要の政治課題まで責任を放棄するのだろうか」と批判。「規制委に責任をなすり付けるのではなく、規制委の判断を見たうえで、再稼働するかどうかは政府が責任をもって決めるべきだ」という主張です。

 これらに対し、読売新聞の社説は、「政府の責任回避は許されない」とのタイトルで、「円滑に再稼働できる体制を早急に整える必要がある」と、主張しました。読売はあくまでも「原発推進」の立場から、政府のシリを叩いています。

 朝日社説の締めくくりは、「野田さん、内閣が掲げた原発ゼロ目標への責任こそ、果たすべきでしょう」と、「原発ゼロ」の立場から、野田首相のシリを叩きました。

 「責任を持つ」と口先ばかりの野田政権。こんな政権は一刻も早く退陣に追い込むべきだと考えます。



1393 ・民主党最後の内閣ですか

2012-10-02 07:03:26 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信1393(121002)をお届けします。

・民主党最後の内閣ですか

 野田首相が昨日10月1日に行った内閣改造。そこには、日本の行く手に希望がまったく感じられません。むしろ「素人内閣」のよちよち歩きで、あやうい感じが先に立ちます。

 今朝の新聞社説を見ると、朝日の見出しは「一体、何がしたいのか」と「?」をつけました。読売の社説も「日本の『再生』を託し得る布陣か」と、こちらも「?」です。

 朝日は「首相は政府・与党のチーム力を使って何をしたいのか。新閣僚の顔ぶれを見ても、それがちっとも見えてこない」と、くそみそ。

 そもそも野田内閣にはこの1年の実績をみても、この国をどうしようとしているのか、政治哲学が見えません。やったのは、消費増税であり、原発再稼働であり、オスプレイの配備です。国の根幹を危うくするTPP(環太平洋経済連携協定)も、本音は「推進したい」です。

 これらの重要政策は、財務省の念願の事項であり、あるいはまたアメリカさまの要求事項です。つまり、財務省の言いなり、アメリカさまの言いなり、なのです。「野田」という存在感はゼロ。

 前回の総選挙の時の野田再は、自分の選挙区で「シロアリを退治することが先決です。消費税は上げません」と、声を大にして訴えました。その「公約」は一顧だにせず、増税にまい進したことはご存じの通り。時の首相に対してこういうモノいいは大変失礼と存じながらも言わざるを得ないのは、「首相は、ウソつき」「総理は二枚舌」という本質についてです。

 読売の社説は1本仕立ての力の入れようです。しかし、その半分のスペースを取って強調したのは、「原発推進の布陣が疑問」という、恐れ入った内容でした。「まず、疑問なのは原発・エネルギー政策を迷走させてきた枝野経産相を留任させたことである」と、不満をぶちまけました。枝野氏の上げ足を取ったうえ、「これでは電力の安定供給と産業振興に責任を負う経産相として、無責任のそしりをまぬかれない」と、断罪。私から見れば、枝野経産相は、「原発ムラのパペット(あやつり人形)」ですが、それでも読売は「不満」のようです。

 そして、こう明記しました。「経済界が反発していることに加えて、日本と原子力協定を結ぶ米国も日本の原発政策に強い懸念を示している。関係を改善することが欠かせない」と。この書きぶりからは、読売新聞が「経済界・財界とアメリカさまの広報紙」であることを明確にしているといえます。読売新聞は「庶民の味方」の振りをして、実体は「庶民を誘導する悪質紙」です。

 それはともかく、野田改造内閣。次の選挙では負けるでしょう。比較第一党の地位も滑り落ちるという見方が増えています。つまり、民主党最後の内閣になりそうなのです。政権交代のあの「熱気」を裏切ったA級戦犯のレッテルを背負って。

 *本日、成田を発って、アメリカのロスアンゼルスに飛びます。ヨセミテ公園やデス・バレー、そしてラスベガスにも足を延ばすつもりです。ロスの友人たちとの旅行です。というわけで、明日から15日まで、「生き生き箕面通信」はお休みをいただきます。ただ、ホテルやモーテルにインターネットの環境があれば、できるだけ「通信」を送信したいと考えています。よりしくご了承をお願いいたします。



1392 ・「最初の10行は全て間違っている」と、孫崎さん

2012-10-01 06:18:54 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信1392(121001)をお届けします。

・「最初の10行は全て間違っている」と、孫崎さん

 「戦後史の正体」の著者、孫崎亨(うける)さんが昨日9月30日、大阪市内で講演し、冒頭に「すごい書評ですねえ。最初の10行は全て間違っている」と、笑い飛ばしました。昨日の朝日新聞朝刊の読書欄(13面)に掲載された、自著を取り上げた書評についての感想です。

 朝日の書評は、最初の10行をこう書きました。「ロッキード事件から郵政民営化、TPPまですべては米国の陰謀だったという本。米が気に入らなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書も後押ししているのか、たいへん売れている。しかし本書は典型的な謀略史観でしかない」と、切って捨てたのでした。

 この本は発売以来20万部を超え、元官僚が書いた本としては異例の売れ行きを示しています。しかも、大手のメディアが、あえて無視した中での売れ行き。さすがの朝日も取り上げざるを得なくなったわけですが、その取り上げ方が非常にゆがんだ「謀略史観」のレッテルを貼ったものでした。孫崎さんは、「これだけひどい書評を書くほど無視できなくなったようです」と、受け流していました。

 NHKがその前の土曜日の晩に放映したドラマ、吉田茂論「負けて、勝つ」についても触れ、「前宣伝で、『歴史にもとづくフィクション』とありましたが、これもおかしいですよね」と評していました。つまり、「歴史にもとづく」といえば、歴史の事実に即したものという意味であり、それをフィクションといえば、いわば「虚構」、つまり「ウソ」ということを意味します。NHKは、「吉田茂のリーダーシップを事実を曲げて持ち上げ、フィクションという逃げを用意している」わけです。孫崎さんが指摘しているのは、私たちを取り巻く情報空間には、かくも虚構、ウソが満ちているということです。

 日本では「謀略」という言葉は、「いかがわしい忌むべきもの。排すべきもの」という語感を伴っています。その語感を利用して、相手を「謀略史観」と決めつけ、排すべき本というニュアンスをにじませる、陰湿な書評を掲載する朝日の神経。それこそ排すべき知性です。

 何より必要なことは、世界の政治は、よく言えば「戦略」、別の見方をすれば「謀略」によって動いているという冷徹な認識ではないでしょうか。自国のいわゆる国益を実現するため、さまざまな戦略を立て、それを達成する細かい戦術を駆使します。情報を取るためにもいろいろと工夫します。それを「謀略」といえば、謀略といえるものですものです。世界政治の舞台は、謀略が満ちているのが現実です。国内政治もしかり。

 選挙演説で「消費税は上げません」と言っておきながら、政権を取ったら手のひらを返して「消費増税する」のも、国民を欺く謀略。「原発ゼロ」と言っておきながら、「大間原発の建設オーケー」というのも、謀略といえば謀略です。朝日はこうした政治の現実をこそ、「謀略」と決めつけて、告発すべきなのです。

 本日は、オスプレイが沖縄に配備されます。謀略だらけの日米安保、そして謀略だらけだった沖縄返還。謀略だらけの流れのなかで、オスプレイは粛々と配備されます。孫崎さんは自著の中で、日本が講和条約を結ぶときのダレス米特使は最も重要な条件として、「われわれ(米国)が望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利を確保する。それが米国の目標である」との方針を示した、と指摘しました。そして、その方針は「今でも変わっていない」と明確にしました。粛々としたオスプレイの配備が何よりの証左です。

 朝日の書評のような「知」のあり方には、日本の歴史を誤まらせてきた責任の一端があるといえそうです。