生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信569 ・「同盟深化」とはどういうことをいうのでしょうか

2010-06-25 06:51:12 | 日記
お早うございます。3-1で対デンマーク戦勝利。ビッグマウスの本田、いいなあ。
生き生き箕面通信569(100625)をお届けします。

・「同盟深化」とはどういうことをいうのでしょうか
 最近の新聞はよく「日米同盟を深化させよ」と主張しています。朝日も読売もです。日経はもちろんです。

 読者の多くも、いつしか「日米同盟は大事だよな」と頭のなかに刷り込まれてしまいました。いまでは、「日米同盟の重要性」は自明の理のように通用しています。

 果たしてそうでしょうか。「日米同盟を深化させる」ということは、必然的にアメリカに従属することを意味します。「日米は対等なパートナー」などというのは、言葉のあやにすぎず、実質的にはアメリカが上で、日本はその下に付かざるを得ない。そのことをごまかして、新聞は読者に「対等なパートナー」という言葉を使い、「そうあってほしい」と望む読者の気持ちを文字にしているにすぎません。そして、結果的にめくらましにかけているのです。

 日本の新聞は、朝日も読売も、あたかも「現実に対等な関係が成立し得る」かのような前提に立っています。かつて太平洋戦争に突っ込んでいく前に、「米英、何するものぞ」と、夜郎自大に強がって見せ、「そうあってほしい」という”架空の状況”の上に論を立てたときと全く変わりません。新聞の”頭脳”はその意味で歴史の現実からはるか遠く遅れた地点でモノをいっているのです。だから、ちっとも面白くない。

 「同盟」とはそもそも、軍事同盟が基本です。同盟を結ぶということは、共通の敵に対して共同で対抗することを約束するわけです。しかし、日米安保条約は、日本の危機にはアメリカが軍事力を行使して日本を守るけれども、日本はアメリカ軍を守る必要はない、ということになっています。こんな条約下で「対等な関係」が成り立っており、「これからも『同盟を深化』させなければならない」と臆面もなく主張できる新聞の神経は、頭の中に素晴らしい論理回路を持っているとしか考えられません。

 日本を代表するジャーナリズムを「自任」している新聞の論説委員がこのごまかしの論理に立っているのですから、日本がアメリカのくびきから自立できるのははいつのことやら。

 10年前までは、「同盟」という言葉は禁句でした。同盟とは「軍事同盟である」と国民が正しく理解しており、「同盟深化」などといおうものなら総反発を受けましたから、新聞もこわくて使えなかったのです。ところが、アメリカの日本人に対する「ものの考え方」操作が、新聞が大いに協力したこともあって、いまや大手を振って「同盟深化」の大合唱が可能になりました。

 その結果、多くの人が自分の頭で自立した考え方をすることがほとんど不可能なレベルまでマインドコントロールされてしまいました。

 昨日からの参院選でも、「自立した日本」が論戦の焦点になる気配はありません。政権交代の本当の意義は、「自立した日本」をめざすはずのものでしたが、まだ道遠しです。






生き生き箕面通信568 ・財務官僚に踊らされる菅首相

2010-06-24 07:08:22 | 日記
お早うございます。アフガン戦争を指揮するアメリカの現地最高司令官がオバマ大統領ら政権首脳を軒並み批判し、更迭。アメリカのアフガン戦略は混迷の度を深めてきました。予想通り、ソ連(当時)の二の舞いになってきました。”不名誉な”撤退をせざるを得なくなるのは、そう遠くなさそうです。
生き生き箕面通信568(100624)をお届けします。

・財務官僚に踊らされる菅首相
 菅首相が「消費税は10%へ引き上げ」をと示唆し、今日公示される参院選の最大の焦点に、「消費税」を持ってきました。

 野党側は参院選の焦点として、「政治とカネ」「普天間」を想定し、選挙戦を通じて徹底的に攻めるつもりでした。与党の民主党はこれをなんとかはずそうと考えた。財務省は20年来、消費税増税を狙ってきた。

 そうした背景の中で、財務相の振り付け通り、菅さんは消費税増税に踏み込みました。もっとも、反響が悪く、支持率が急落したものですから、あわてて発言を修正していますが。

 そもそも増税は選挙の鬼門です。民主党の参院選公約(マニフェスト)でも「消費税から逃げていませんよ」というアリバイ作りの触れ方でした。ところが、自民党が「消費税10%」を打ち出したものだから、財務省から菅さんに耳打ちがあった。「いまがチャンスですよ。選挙後、自民党とも協力する素地をつくっておけば、たとえ国民新が離れても、自民党と(大連立)で国会を乗り切れますよ。増税で財政再建に目処をつければ、長期政権疑いなし。小沢氏もこわくないですよ」と。

 この「国会乗り切り策」と「対小沢戦略」というささやきが、菅さんの背中を押し、唐突な「消費税増税」発言になりました。

 しかし、昨年の衆院選の選挙公約では「消費税は4年間、上げません」と約束して政権交代を果たしたのです。その公約との整合性に対する説明もなく、思いつきのような踏み込んだ発言をする政権のトップ。まだ税制全体に対する議論もないまま、いきなり10%へと大幅な増税を打ち出す感覚。とても市民派出身の感覚ではありません。

 菅首相は、「脱小沢」を画策するなかで、急速に官僚に踊らされる政権に変質してきました。財務省にばかりでなく、外務省、国交省、防衛省など軒並み官僚中心になってきました。昨年の「政権交代を予感させる高揚感のある選挙戦」ではなく、有権者には難しい選択を迫られる情けない選挙になってきました。民主党が限りなく自民党的になってきたからです。





生き生き箕面通信567 ・人はなぜ、いまだに殺しあうのか

2010-06-23 06:51:03 | 日記
お早うござます。
生き生き箕面通信567(100623)をお届けします。

・人はなぜ、いまだに殺しあうのか
 今日は「沖縄慰霊の日」です。平和を祈る日です。平和を祈るだけでなく、平和を誓い、自分たちの努力で平和を確固としたものにしていくことを再確認する日です。

 しかし、沖縄のアメリカ軍基地からはアフガンに向け、海兵隊が出撃しています。日本はアメリカ軍に最大規模の基地を提供し、「思いやり予算」をつけて強力に支援しています。日本はアメリカに大きな協力をしているのです。

 「テロ対策のため、アフガン攻撃が必要だ」というアメリカに対し、日本は「おおせの通り。お説ごもっとも」と忠犬ポチ公ぶりを発揮しています。しかも、「アメリカ軍さんのために、辺野古に近代装備の新鋭基地を造ってさしあげます」と約束しています。それが菅さんが電話でオバマさんに誓った「日米合意」です。日本は自ら進んで「テロの脅威」に巻き込まれようとしていすのです。

 アフガンで「命の水」のための水路建設などに、20年以上、いのちがけで従事してきた中村哲さん(ペシャワール会)は、「軍事では解決しない。武力で抑え込もうとしても、逆効果」と言い切っています。事実、中村さんたちは、ずっと丸腰です。

 アメリカ軍が、「テロリストがひそんでいる」という”情報”とかに踊らされて、空からヘリや戦闘機で村を爆撃します。時には、学校や病院、集会所などにロケット砲を撃ちこみ、多数の犠牲者を出します。女性やこども、一般の村人が巻き添えで死んでいます。この人達の遺族は、決して屈することはなく、むしろ”復讐”を誓います。「目には目を」は、イスラムの文化なのです。つまり、アメリカの武力行使は、テロリストを大量に再生産しているだけなのです。

 中村さんはいいます。「アフガンに対する最も有効なテロ対策は、水を確保し、作物ができるようにすること。自分たちが食べられるようになったら、テロに走ることはありません」と。ついでながら、今年のノーベル平和賞は、中村さんにおくられてほしいと強く願っています。

 はっきりしていることは、オバマさんがアフガンに軍隊をいくら増派しようとも、決してテロは解決しないということです。それはソ連がすでにすごすごと撤退したことで証明ずみのはずです。今年の秋までには、オバマさんはがりがりにやせ衰え、使い捨てにされるという見方も出てきました。そして「やはりマイノリティーはだめだ」というらく印を押し、当分、黒人系は劣等扱いです。

 そしてヒラリー・クリントンの登場。アメリカの産軍複合体は、「これで本来の姿に戻った。アメリカという国をてなづけた」と勝利宣言をすることになります。

 菅さんは、あさって6月25日から開かれるカナダ・サミットを機に、首相就任後初めてオバマさんと直接会談し、「辺野古に基地を造ります」と改めて誓います。オバマさんからは頭をなでられ「愛いヤツじゃ」とお言葉をたまわるのです。日本の外交とは、(これは外交とはいえませんが)、アメリカに尻尾を振り続ける演技のことをいうのです。そして、結果的に殺し合いに手を貸すのです。







生き生き箕面通信566 ・「沖縄の民意に耳を済ませ」だって?

2010-06-22 07:06:47 | 日記
お早うございます。厚労相元局長の村木厚子さんに対する求刑が今日、大阪地裁で行われますが、検察は肝心の証拠のほとんどを退けられており、どうするのでしょうね。
生き生き箕面通信566(100622)をお届けします。

・「沖縄の民意に耳を澄ませ」だって?
 明日は「沖縄慰霊の日」です。65年前の今日、沖縄は誇張なしに「地獄」の様相でした。アメリカ軍の「鉄のあらし」と表現される雨あられと降りそそぐ爆撃機からの砲弾、銃撃、海からの艦砲射撃。そのなかで日本軍の司令官は「お前たちは最後の一兵卒まで闘え」と言い残して、無責任にも自分だけさっさと自決したのでした。これで組織的戦闘は終了し、現在では「戦没者の慰霊の日であり、平和を祈る日」となっています。

 朝日は今朝の社説で「沖縄の民意に耳に済ませ」と題して、菅首相が戦没者追悼式に出席するのを機に、「政府と沖縄との関係再構築の出発点にしなければならない」と主張しています。「辺野古移設を『強行』するようなことは決してあってはならない。それが大原則である。時間がかかっても県民の声を丁寧に聞き直し、最低限の納得は得られる打開策を探るべきだ」とも注文をつけています。

 しかし、いまさら聞くまでもないでしょう。沖縄の民意は、県民大会を通じ、名護市長選挙などを通じて、いまや日本中が知っています。アメリカのホワイトハウスですら知っていることです。「沖縄の民意に耳を済ませ」るなら、「普天間撤去」あるいは「国外」以外にないのではないでしょうか。

 社説はこうも書いています。「首相はカナダでのサミット時に、オバマ大統領と会談する。日米安保体制を安定的に維持するためにも、沖縄の負担軽減が欠かせない事情を、正面から大統領に伝えてほしい」。まるでお願いです。そもそも普天間基地は、アメリカ軍の戦争専用の基地です。日本国民はもちろん、自衛隊の人間ですら自由にはいることはできません。

 そうしたアメリカ軍のための軍事施設を日本が国民の税金を使って造って差し上げるということです。日本政府がいやがる自国の沖縄の人々に基地建設を納得させる。アメリカはそれを後ろ手しながら、「5月までに合意しろ。工法などは8月までに決めろ」とはっぱをかけてきました。そのスケジュールでなければ、アメリカが考える世界戦略の配置に支障をきたす、というのです。

 朝日の社説は、アメリカの言い分そのままを実現するための主張となっています。朝日はいつから「アメリカのポチ」になったのでしょうか。 


 

生き生き箕面通信564 ・検証「日米安保条約は日本の国益を損ね、世界の平和に貢献しない」

2010-06-19 07:07:32 | 日記
お早うございます。今日は「60年安保」が自然成立してからちょうど50年目の特別の日です。
生き生き箕面通信564(100619)をお届けします。

・検証「日米安保条約は日本の国益を損ね、世界の平和に貢献しない」
 半世紀前の本日、日米安保条約は数万のデモ隊が国会周辺で徹夜で抗議する中、自然成立し、4日後の23日に発効、今日に至っています。

 今日は朝日も読売も、「安保50年」を大きく取り上げていますが、いずれも「中国脅威論」を全面に押し出した論調となっています。

 とくに読売は「日米同盟深化へ戦略対話を」を掲げた1本社説は「日米安保条約がアジア・太平洋の安定を支える『公共財』と位置づけられた」という一方的な見方が基本。菅政権に対しては、「最初に取り組むべきは、米軍普天間飛行場の移設問題」とし、「8月までに代替施設の位置や建設工法を決定するとの5月末の日米合意をきちんと履行することが求められる」と、辺野古での軍事基地新建設を催促しています。

 しかし、中国、北朝鮮を”仮想敵国”とした安全保障体制の構築は、今後10年先、20年先を見通して、歴史に耐える正しい道といえるでしょうか。

 現在建造中の中国の空母が実戦配備され、マラッカ海峡など日本の死活となるシーレーンを支配されれば、日本はアメリカとの同盟関係を発動させて、対中武力行使も辞さないというパワーゲームに突っ込むつもりなのでしょうか。

 日本は、原油のシーレーンを守るためには、中国はもちろん、インドネシア、インドなどアジア各国との平和条約強化につとめるほかありません。その場合は、日米安保体制にもとづ「同盟深化」ばかりでは古色蒼然、時代にそぐわない。

 IT技術を駆使したサイバー攻撃、あるいは細菌やサリンガスなどによる生物化学兵器の脅威もあります。

 必要なことは緊張を和らげ、平和と友好の枠組みをつくることを最優先にすべきではないでしょうか。

 どうしても必要な「世界の警察」は、国連を実質的に機能させる国連自前の「国連治安組織」を創出することです。そのためには、日本からもひと、もの、カネを出し、先頭に立って重要な役割を担う。

 今日の朝日、読売の安全保障論は、一昔前の議論にすぎず、これからの時代をにらんだ「世界経営論」からはそっぽの論調といわざるを得ないようです。