生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信570 ・安全保障の論議はどこへいったやら

2010-06-26 06:39:40 | 日記
お早うございます。菅さんは「普天間担当相」を新設し、うまくいかなかったら担当相の首を切ると”首切り要員”の布石を検討しはじめました。
生き生き箕面通信570(100626)をお届けします。

・安全保障の論議はどこへいったやら
 さきほど午前4時半くらいまで、田原総一郎の「朝まで生テレビ」をやっていました。参院選の最中だけに、テーマは「日本の未来」。民主の細野豪志、自民の石原伸晃、社民の辻本清美などが出演していました。「安全保障に対する超党派で議論する場が必要」という発言がありましたが、進行役の田原は素通りしてしまいました。

 「簡単に結論を出して見せ場をつくり、視聴率をかせぐ」のがテレビだから、基本からじっくり議論することは不向きなのでしょうが、それにしてもあっさりしすぎです。せめて、「超党派で議論しよう」という合意だけでも得るように詰めるべきでした。 

 参院選が本格的にスタートしました。しかし、この国の最も肝心なテーマには、関心が集まりません。日本の現在および近い将来に最大の影響を与えるのは、「世界の中の日本の安全保障であり、具体的にはアメリカとの関係」です。

 仮に、日本が自立の路線を取ろうとすれば、アメリカからの激しいバッシングに遭い、政権は力づくでもつぶされるでしょう。アメリカに対して戦後初めて「(辺野古は)ノー」を事実上突き付けた鳩山首相は、周到な準備を欠いたこともあって、あっという間につぶされてしまいました。アメリカはそれほど「日本を大筋においてコントロールする」と固く決意し、アメリカ大使などを通じて日常的にウヲッチしているのです。

 だから、菅首相は本心はどうあれ、オバマさんにいち早く「日米合意を尊重します」と恭順の意を表せざるを得ませんでした。政権がもたないのです。アメリカは日本政府の生殺与奪の権を握っていることは、これまでの首相交代でも見られました。朝日も読売も、そのアメリカの大きな影響力については「知らぬ顔の半兵衛」です。

 しかし、世界の情勢変化、東アジアの情勢変化は、アメリカべったりでは早晩行き詰ることが明瞭になってきています。国政選挙のたびに、「対米関係と日本の安全保障」の論議を深めなければならないのですが、日本のマスメディアはややこしい問題には正面から向かい合おうとしません。

 昨日は朝鮮戦争開戦からちょうど60年。いまも休戦中にすぎず、しかも哨戒艦沈没事件で南北間の緊張は高まっています。しかし、アメリカ軍は2年後には韓国から撤退する事を決めています。韓国は自力で、北と向き合います。

 朝鮮半島で有事が勃発すれば、アメリカはまず「日本の自衛隊が対応すべき」と押し付けてきます。アフガン戦争を継続しながら、朝鮮でも戦端を開くのは、アメリカにもきつすぎるからです。しかし、アフガンからも撤退の準備を始めました。となれば、アメリカの産軍複合体が次に紛争を想定するのは、朝鮮半島ということでしょうか。それもできるだけ日本などに対応させて、アメリカ自身は後方から指図をする態勢です。

 日本は自立した外交路線で、有事を未然に防ぐことに全力を傾けるべきですが、「見ざる言わざる聞かざる」で行きたいようです。しかし、安全保障問題を考えずに国を運営していけるのでしょうか。