生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信554 ・既成事実にしようとする「普天間処理」

2010-06-09 06:51:11 | 日記
お早うございます。「政権が変わる 辺野古は変わらない」(読売川柳)
生き生き箕面通信544(100609)をお届けします。

・既成事実にしようとする「普天間処理」
 昨日の新聞は夕刊で、菅新首相に対するオバマ米大統領の初印象をこう伝えました。「大統領は菅首相との電話協議の結果に非常に満足していた」と。ベーダー米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長がワシントン市内での講演で語ったものです。「米国は菅内閣との連携に期待感を示し、普天間に関する日米共同声明を『日米同盟が次の段階へと進む重要な足がかり』と評価した」とも報じています。

 アメリカが恐れるのは、新政権になって「辺野古は困難だから方向転換します」という事態。ホワイトハウスの真意は「アメリカの世界戦略を展開するために進めている米軍再編成実現のためには、もう時間がない。日本の沖縄では、ともかく辺野古で推進してもらいたい」というところです。 そのためには、既成事実の積み重ねが一番。アメリカは日本人の習性をよく認識しています。既成事実を前にすると、日本人は「ここまできているなら仕方がない」と、現状を受け入れるということを知り尽くしています。既成事実になりそうなことに対しても、その先を考えて頭のなかでは”既成事実化”してしまい思考停止に陥って、そのほかの道を検討することがない国民性。

 菅さんも、「鳩山さんが決めた日米合意は重い意味を持つ」と述べました。つまり菅さんも、既成事実の前に「普天間」については思考停止を起こしているのです。しかし、鳩山さんは本来、「三つの合意を大切にする。すなわち、地元沖縄の合意、連立の合意、そしてアメリカとの合意である」と明言していましたが、結局、アメリカとの合意だけを優先させてしまいました。

 いわばドタバタです。ドタバタで決められたものでも、いったん既成事実となると「仕方がない」としてしまう。恐るべき思考停止パターンの繰り返し。日本人の悲しき習性です。

 アメリカが最も恐れていたのは、普天間でもめているうちに、「反米感情」の火の手が急速に燃え上がることでした。だから、逆にいえば、「国外」を強力に主張すれば、アメリカは譲歩せざるをえなかった。もともとアメリカ自体が、グアムへの移転を進めているのですから。

 だから、こういうときこそジャーナリズムが、「一度立ちどまって考えよう」と呼びかけるべきです。「たとえば、本当に国外に移転させることはできないのか。グアムについてアメリカと交渉しましょう」と一つの考え方を提案することは非常に大切なはずです。しかし、朝日新聞も読売新聞も、辺野古で固まっています。

 沖縄に新しい基地を造ろうとすれば、無理なことが起こるでしょう。どだい50年先に、アメリカの基地が日本にあるとは想定できません。それとも朝日も読売も、50年先もアメリカの基地に頼るつもりなのでしょうか。もしそうだとするなら、素晴らしい”国思いの新聞”ということになるのでしょう。