生き生き箕面通信

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2009 ・私たち本土の人間にとっての「沖縄慰霊の日」の意味

2014-06-24 10:09:44 | 政治

 おはようございます。
生き生き箕面通信2009(140624)をお届けします。

・私たち本土の人間にとっての「沖縄慰霊の日」の意味

 沖縄慰霊の日の式典が昨日6月23日、摩文仁の丘で安倍晋三という首相も出席して開かれました。安倍首相は全日本を代表した立場で、「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、できることはすべて行う」と、約束しました。

 もし、「沖縄の方々の気持ちに寄り添って、できることはすべて行う」意思が本当にあるなら、まず、辺野古への新基地建設を即刻中止すべきではないでしょうか。

 これこそが、いま沖縄の多くの人が心から望んでいることだということは、これまで何度も繰り返されてきた県民挙げての県民大会に結集した県民の数に明瞭にあらわれています。

 なんと軽い首相の言葉でしょう。この安倍という男の得意芸は、その場限りの耳触りのいい言葉を吐き散らすことです。自分は反対のことを考えていても、そんなことはおくびにも出さず、そこにいる人々、安倍の言葉が聞かれる範囲の人々に心地よく聞こえるであろう言葉を、しゃあしゃあと垂れ流す。

 現知事の仲井間氏も、知事選に立候補の時は「辺野古基地反」を公約とし打ち出さざるを得なかったではありませんか。もっとも当選後は、いつの間にか「「辺野古基地建設促進」の本性を現し、県民の心を裏切って平然としています。

 朝日新聞は本日の社説で、「沖縄慰霊の日 犠牲者に誇れる平和か」という見出しを立てました。そして、「沖縄に負担を強いて成り立つ今の平和は、20万の犠牲者に誇れる平和だろうか」と、問いました。さらに、「国民全員がそう問いかけられている」と、ダメを押しました。

 いかにも、朝日らしい社説です。一見、ごもっとも風です。しかし、「沖縄に負担を強いて成り立つ今の平和」と断じるなら、なぜひとこと「辺野古米軍基地の建設は中止せよ」と言及しないのか。朝日の社説は、辺野古基地建設という現在の最も重要な問題を完全に素通りしてしまいました。「逃げた」ということでしょう。

 社説の本文中には、沖縄戦の生き残りの方の証言も取り上げていました。その方は、「『本土の方は沖縄戦のことをご存じない。もっと知って戦争をなくすことに協力して』と訴える」とも記述しました。そこまで言及するなら、当然、安倍政権がごり押しで進めつつある、今の問題、つまり戦争のための最新鋭基地建設・辺野古にも触れるべきです。

 ただ、20万人もの死者を出した沖縄の犠牲の上に、今の私たちの平和があるのも事実ですよね。そして、結果的に新しい基地を押し付けようとしているのも、私たち本土の人間ということになります。辺野古ばかりでなく、安倍政権は高江にもオスプレイ用の米軍基地を造って差し上げようとしています。

 これだけ、沖縄に新たな犠牲を増やしながら、安倍首相は、「沖縄の負担軽減のためにできることはすべて行う」ですって。どこからそんな言葉が出てくるのでしょう。

 このどうしようもない男が、私たち日本の総理大臣です。形の上では、私たち有権者の多数が選んだことになっています。最高裁からは「違憲もどき」という判決のもとで行われた選挙でしたが――。

 日本の民主主義は、まさに風前のともし火です。