生き生き箕面通信

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1989 ・「6・4天安門事件」が日本に教える人権と民主主義の大切さ

2014-06-04 09:02:43 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信1989(140604)をお届けします。

・「6・4天安門事件」が日本にも教える人権と民主主義の大切さ

 本日6月4日は、中国の学生たちが「民主化」を求めるデモを起こし、そのデモ隊数百人(少なくともそう言われる)を戦車で押しつぶして死傷させ弾圧した「6・4天安門事件」から4半世紀の節目の日です。

 習近平政権は、25年前に劣らぬ強権発動によって、25年前の「検証」を求める声を押しつぶしています。国内の「人間として生きたい」という声を弾圧する一方、国外に対しては領土、領海、領空の圏域拡大を軍事力で拡大しつつあります。

 「悪い中国」が台頭しつつあるように見受けます。この状況を、日本のジャーナリズムはどう受け止めたか。

 朝日新聞の本日の社説は、「改革になぜ踏み出せぬ」を見出しに立て、「6月4日を忘れるな」と書き出しました。そして、「なぜ忘れてはならないのか。彼らが提示した民主化の方向性は正しいからであり、政権が事件を歴史から消そうとしているからだ」と、強調しました。

 中国共産党中央が活動家や知識人を弾圧し続けても、「6・4事件」の結果は、「『人権』の意識を権力が無視できなくなったという成果があった」という当時の活動家の声も紹介。「四半世紀前の学生らの叫びは今なお価値を増している。決して忘れるわけにはいかない」と、結びました。

 朝日の社説には、「民主化」と「人権」という視点がありました。

 読売新聞の社説はどうか。見出しは「政治改革に背を向ける習政権」とし、同じように習政権の強権政治を批判しています。そのうえで、習政権が、「国民の批判をかわすため、これまで以上に覇権的な対外姿勢を強める恐れがある」と、中国警戒論に転じます。

 結びは、「日本政府は米国や東南アジア諸国と連携し、中国の威圧的な行動への警戒を怠ってはならない」でした。そこには、「中国怖いぞ、危ないぞ」という排外主義的な論が異常に目立ち、「6・4事件」とは切っても切れない関係にある「人権」という言葉は一回も出てきません。極めて偏った、レベルの低い社説でした。

 ところで、日本の政治状況はどうでしょうか。日本の「民主主義」や「人権」は大丈夫でしょうか。憲法が死にかかっています。

 麻生太郎・副総理兼財務相が、「いつの間にか憲法が変わっているというナチスの手法を学んだらどうか」と言い放ちました。その後の展開はまさに、閣議決定だけで憲法解釈を変え、憲法9条をあってなきものにする”謀略”が白昼堂々進められています。

 物言えば唇寒し、の特定秘密保護法も強行採決で成立させました。沖縄の県民が何度も県民大会を開いて、もう「米軍基地はいらない。辺野古に新基地をつくるな」と声をあげても、一向にお取り上げにならない。

 「原発再稼働に反対」と、多くの国民が意思表示をしても、全く聞く耳持たず、です。

 大企業が潤う法人税引き下げには熱心でも、生活保護費予算には冷たく、一般庶民にはさらなる消費税増税で追い撃ちをかける。庶民の「人権」に対しては、”ないがしろ政策”を進めています。

 そして、「民主主義」や「人権」にあまり関心がない多くの国民がいます。政府にやりたい放題させて、黙っているおとなしい羊のような国民がいます。