おはようございます。
生き生き箕面通信1158(120209)をお届けします。
・日本の国益は野田政権で守れるか――TPPは「全品目対象」
「日本は全品目を対象とします」と、日本政府の代表は2月7日の
事前協議でアメリカ政府に伝えました。いよいよアメリカの餌食に
なる一歩を踏み出したわけです。
アメリカの自動車業界は「日本はエコカーなどで閉鎖的な市場
にしている」と主張。保険業界は「日本の簡保生保などは民間と
の対等な競争を妨げている」。コメ業界は「コメの関税を撤廃が、
TPP参加の条件だ」。全米商工会議所は「すべての財・サービス
および貿易・投資に関する障壁を交渉のテーブルにのせるべき
だ」と、米政府に強く迫っています。
アメリカ側の取り組みは、政府と民間の業界が一体となって日
本市場をこじ開けようとするもので、戦略的です。その背景には、
アメリカの失業率が遅々として改善しないこと、経済の好転が期
待したほどではなく、今後はさらに輸出に力を入れなければなら
ないという事情があることはつとに指摘されてきました。オバマさ
んにとって、大統領選挙を勝ち抜くために「日本市場を開放させ
た」(アメリカの業界においしい”料理”を提供した)という実績が
必要なのももちろんです。
片や日本はバラバラです。政権与党の中にも、根強いTPP反対
があり、コメ農家を中心とする農業団体をはじめとする民間団体の
中にも強い反対があります。そもそも「日本の国益は何か」という
根本すらおぼろげです。
しかし、野田政権は、「ともかく参加する」というハラを隠して、
「事前協議」というめくらましで動いています。野田政権の言い
分は「輸出市場が広がる。海外の安い物が輸入され、消費者
にプラス」というものです。しかし、TPP参加国で大きな市場は
アメリカだけで、輸出が伸びるというのは期待薄。海外から安
いものが入ってくることは、日本の国内市場が奪われることで
もあり、デフレが加速されます。働く人の賃金も下降する影響
を受けます。
残念ながら程度の低い野田政権。この政権では、アメリカの
マッチョな腕力にたやすく組み伏せられ、日本はボロボロにさ
せられます。国会が政府の動きをけん制し、大手メディアがま
ともに機能することを期待したいのですが、どうも先行きは暗い。