おはようございます。「北」のトップの急死は、来年の世界が「暴れ龍」となる先ぶれのように見えます。欧州危機を含め世界全体が暴れ龍となることを自ら調教して、「たくましい龍」に生まれ変われるか、人類の英知が問われる年になりそうです。
生き生き箕面通信1107(111220)をお届けします。
・「失敗国家」の行きつく先は?
考えられる最善のシナリオは、「平和裏に南北統一」とされています。ただ、近い将来の期待はムリ。なにしろ来年が初代、金日成主席生誕100周年で、「強勢大国の大門を開く」と大宣伝してきました。「北」にしてみれば、強勢大国の力を背景に統一を主導する戦略だったはずです。ところが、その戦略は完全に失敗しました。どだい、「軍事大国」で長生きできた国はありません。
少なくとも来年は「喪に服する期間」。だから、むしろ静かに過ぎるのではないか、という見方も多いようです。だからといって、油断は禁物。「緊張感をもって注視する」必要が指摘されています。
最悪のシナリオは、軍の「暴走」。後継者・金正恩氏とその取り巻きが、延坪島(ヨンピョンド)砲撃や、韓国船魚雷攻撃などを繰り返す可能性を口にするいわゆる専門家もいます。あるいはミサイルなどを発射して「強国」をアピールする。なにしろ正恩氏は「砲撃の名手」として国内に売り出しているからというのです。
それにしても、今朝の新聞の内容のなさはどうしたことか。各紙ともスペースを割いて大特集を組んでいますが、見るべき内容はほとんどない。学者を含む専門家からも、あるいはアメリカをはじめ海外からも、これといった耳を傾けるコメントがありません。いずれも「群盲、子象をなでる」の類いです。決定的に欠けているのは、将来のあるべき世界像への戦略から見て、今後の「北」にどう接するのかという積極的な視点です。21世紀を生きる私たちが平和的に共存するために「北」とどう接するのか、が欠けています。
いま北朝鮮は、食糧にも事欠くのが実態です。軍優先の「先軍政治」でやってきましたが、地道な自国経済の土台を固めないで軍事予算を組みつづけることができないのは物の道理ですよね。今後数年間は中国に食糧援助をお願いする立場のようです。となると、中国が「北」の暴発を止める役割を果たすかが、第一義的には大切。つまり、食糧援助などを使って、なんとか「安定」を保つようにしていただけるかどうか。中国の判断が問われます。
できれば日本も食糧援助などで、将来への布石を打っておくことが欠かせないのではないでしょうか。いずれ話し合いを持たなければならない時期がくるはずです。物理的に動かせない地政学的隣国関係にあるのだから、その時に備える長期戦略が必要です。民主党政権には長期戦略が決定的に欠けています。目先の現象に右往左往するだけのように見えます。だから、「のダメ政権」とけなされても仕方がありません。
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