生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信846 ・私たちは原発政策を転換させられるでしょうか

2011-04-01 06:03:10 | 日記
おはようございます。岩手県の大沢小6年生29人が、「20歳の自分へのメッセージ」を書き、昨日、タイムカプセルとして校内に埋めたそうです。8年後にはどんな復興の姿になっているのでしょうか。
生き生き箕面通信846(110401)をお届けします。

・私たちは原発政策を転換させられるでしょうか

 菅首相は昨日の記者会見で、原発の新増設を盛り込んだ政府のエネルギー基本計画の見直しを検討すると表明しました。しかし、これはあくまで「今の状況では『見直し』といっておいた方が世論のガス抜きになる」という思惑からの表明です。本音は「ほとぼりが冷めれば、また原発を推進できる」という程度のものです。なにしろ、菅首相には、「脱原発」の哲学などかけらもありません。

 仮に、菅首相が本気で「原発の新増設はストップしよう」と考えたところで、”原発ムラ”からの反発で簡単に押し返されてしまうと、みくびられています。

 だから、本日の朝刊では、朝日は「原発見直し」という菅首相の記者会見発言を伝えましたが、読売も日経も無視し、1行も触れていません。

 高濃度の放射能検出が連日大々的にニュースになっている今の段階では、世論も「反原発・脱原発」の空気です。しかし、しばらくして事態が少し落ち着くとどうなるか。とくに問題は今年の夏場です。もともと電力不足で計画停電が長期化するなかで、冷房用クーラーが動き出すシーズンになると、世論は「やはり電力が必要」に変わっていくでしょう。

 ”原発ムラ”の住人たちは、強力なパワーを持っています。国のエネルギー政策を左右してきた実績があります。国の予算を含め巨額にのぼる原子力利権に群がるのは、政府(経産省)、東電などで作る電事連を中心とする電力業界、三菱重工、東芝などの原発関連産業、それに原子力関連の学者、原発関連でうるおう広告業界とマスメディアなどです。それが一丸となって「原発推進」の息を吹き返します。

 経産省は、原発の安全性の総点検を指示しました。しかし、点検したところで、原発の危険を取り除けるわけではありません。とくに問題視されているのが、浜岡原発。静岡の御前崎に立地する中部電力のこの原発は、東海地震の震源域に建てられており、直下型地震の場合、原子炉建屋はもちろん、原子炉そのものが壊れる心配があるのです。しかも、高さ8メートルの津波で被害が出るとされ、急きょ防波壁をつくるというドロナワ対策に追われています。いったん大事故になれば、近くを東海道新幹線が走っていますから、これがストップすることになり、日本の大動脈の分断です。浜岡原発は、整然と廃炉にすべきですが、国会がそれを政府にやらせることができるか。つまり、私たちが選出した代表が、原発廃炉を実現できるかです。

 結局、私たちの決断次第です。私たちが、「原発ノー」「原発はいりません」、そして「省エネ生活に徹します」「少しくらい暑くても我慢します」、そして「再生エネルギーへの切り替えを」「自然エネルギーの活用を」と決断するか、にかかっています。

 もし、そうなら、関西に住む私たちは、この夏にも新たに動き出そうとしている関電のプルサーマル原発を当面ストップさせられるか、が課題です。しかし、そうした動きはほとんど見られないようです。

 アメリカでは、オバマ大統領が福島原発の事故を踏まえたうえで、「原発は必要だ」と改めて原発推進を言明しました。来月、フランスで開かれる主要8か国(G8)首脳会議でも、原発の「国際安全基準」は議題とするものの、原発そのものは推進することに変わりはありません。

 私たちも、「のどもと過ぎれば熱さ忘れる」のでしょうか。