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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信197 ・中国が世界の覇権へ、また大きな一歩

2009-06-06 06:59:43 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信197(090606)をお届けします。

・中国が世界の覇権へ、また大きな一歩
 
 ガイトナー米財務長官が中国を公式訪問し、胡錦濤国家主席ら首脳と会談したのは4日前の6月2日でした。この会談は、アメリカが中国に「参りました。これからもアメリカを支えて下さい」と、頭を下げたことを世界にみせつけました。

 というのも、ここ数年、アメリカが中国に経済問題の最大課題として要求し続けていたのは「元の切り上げ」でした。「中国は元をドルに対して不当に低く抑え、自国の輸出を極めて有利に進めており、不当に国際競争力を有利にしている。その結果、アメリカは中国に不均衡な貿易赤字を強いられている」というものでした。

 たしかに、中国首脳自身、元が自国に有利に働いていることを意識しており、「ゆるやかに切り上げに進む」と公約しているほどです。

 ところが、今回の訪問では、元問題はほぼ素通りしました。そして、何を言ったのか。「オバマ政権の4年間の任期中に、アメリカの財政赤字を半減させる構想」を伝えたのです。つまり、「ドルの価値は維持する努力をします」と、中国に”公約”する旅だったことを示しました。

 背景にあるのが、「米国債を引き続き買ってください」というお願いであるのは明らかです。そこまでいわば屈服せざるを得ないほど、アメリカの財政は行き詰っています。

 中国は日本を抜いて、米国債の最大の保有者で、温家宝主席が今年3月に「(ドル安による)ドル資産の目減りが心配だ」と述べた一言で、米中の立場が逆転してしまったことを天下にさらさざるを得なくなりました。

 さすがにアメリカも、4日の「天安門事件20年」に対しては、クリントン国務長官が声明を発表し「服役中である民主活動家の釈放を求める。法の支配や国際基準の人権保護、民主化を進めることであの日を追悼できる」と中国政府に民主化の推進を迫り、中国を批判しました。「中国は地球規模で指導力を発揮する立場になりつつある。過去の暗い出来事を公に検証し、説明責任を果たすべきだ。事件による死者や拘束者、行方不明者の名前を明らかにすべきだ」とも呼びかけました。

 日本の麻生首相も、このくらいのことが言えたら、支持率はたちまち回復すること間違いないと思うのですが。

 いずれにせよ、中国は「世界の覇権」へ大きな一歩を踏み出しました。なにしろおカネでアメリカの首根っこを抑えてしまったのですから。覇権とは、策略や武力で天下を治めることで、つまりはパックス・シニカ(中国)のことです。

 その中国と日本はどう向き合っていくべきなのか、これはまた別の機会に考えてみたいと思います。