生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信205 ・靖国・遊就館の賑わいは何を意味するのでしょうか

2009-06-14 22:56:17 | 日記
こんばんは。
今日の生き生き箕面通信205(090614)は、夜の配信になってしまいました。

・靖国・遊就館の賑わいは何を意味するのでしょうか
 東京での集いの合い間に靖国神社の遊就館をのぞいてきました。休日ということもあってか、かなりの賑わいです。社務所の人に聞いてみると、年間400万人と対外発表しているのだそうです。年配者が多いのですが、若い人や外国人も目立ちました。

 神社創建140年にあたり、特別展「矢弾丸(やだま)尽きるとも――我レ生還ヲ期セズ――」を開いており、キャンペーン映画「みたまを継ぐもの」と、ドキュメント映画「私たちは忘れない――感謝と祈りと誇りを――」を上映していました。展示場の「ゼロ戦」戦闘機や、人間魚雷「回転」をバックに記念写真を撮る人は引きもきらず、です。

 常設展示の最大のコンセプトは、「大東亜戦争は正義の戦争。日本は欧米列強の経済封鎖に対抗するため、やむを得ず戦争になった」「植民地支配に苦しんでいたアジアの同胞を解放し、大東亜共栄圏をつくる戦いだった」と、正当化するところにあります。そして、そのために命を捧げた尊い英霊に感謝と崇敬の念をあらわさなければならない、ということです。

 しかし、日本がアジアの国々、なかでも中国、朝鮮、台湾を侵略したこと、とくに満州まで広げ、植民地化していったという表現はありません。そこのところは、日本民族が食うためにやむを得ないことだった、としています。

 また、盧溝橋で発砲事件が起きたときも、日本政府は「不拡大」の方針を現地の関東軍に至急電を打ったにも関わらず(その電報も展示されています)、軍が勝手に暴走して中国全土に戦火を広げたことなどは、口をぬぐって知らぬ顔です。当然かもしれませんが。

 「A級戦犯合祀」の説明などはしておりませんが、屋外にパール判事の胸像を設置してあり、「東京裁判は間違い」と主張しています。

 この戦争の最中、特高警察を使い、向こう三軒両隣の町内会組織をも動員して、どれだけの言論弾圧を行い、人権を蹂りんしたかなどは全く触れません。もちろん、従軍慰安婦のことなど影も形もありません。愚かな軍部と軍人首相のもとで、「本土決戦」「1億総火の玉」などうつろな威勢で「敗戦」を認めることすらできずに犠牲を強いた国民に対する「謝罪」もありません。

 こうした靖国神社のあり方が示す「日本民族の魂」を、保守派はなんとかもっと強力に甦らせたいと手を替え品を替えて画策しているのはご存知のとおりです。

 先の戦争の国民的な総括をする努力が充分になされてこなかったこともあり、例えば北朝鮮がミサイルを撃つと、「敵地攻撃が必要」から「核兵器の開発を検討する必要がある」までが、多数を占めそうな空気をかもしだします。「北朝鮮が核実験を重ねると、靖国が賑わう」、そのようにも見えましたが、どうでしょう。