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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信193 ・「コツコツモノ作り」で社員の幸せ追求――伊那食品工業

2009-06-02 06:34:02 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信193(090602)をお届けします。

・「コツコツモノ作り」で社員の幸せ追求――伊那食品工業
 アメリカを代表するメーカーだったGMが、「コツコツモノ作り」の原点をおろそかにして経営破たんしましたが、日本の小さな都市にはその原点を大事にして着実に成長しているメーカーがあります。お手本にしたい企業です。岐阜県伊那市の寒天中心メーカーの伊那食品工業です。(この記事は、箕面通信をお届けしている方から以前、教えていただいた情報をもとに作りました)

 伊那食品は、寒天関連の商品で毎年地道に成長を続けており、その成果としての利益で、総勢約400人の従業員はほとんどを正社員として雇用し、しかも終身雇用で年功賃金を採用しています。

 冬場の寒さが厳しい伊那地方では、冬季にスタッドレス・タイヤが必需品であるため、3年に1度「スタッドレス・タイヤ手当て」を2万円支給。あるいは社員旅行で海外へ行く場合は、通常8万円補助するなど。

 下請けを叩くことはなく、地域社会への継続的な投資も惜しまない。このために毎年10億円をつぎ込んでいる。

 モノ作りを支える技術開発、商品開発に力を入れ、これまでに他のメーカーに先んじてさまざまな固さの観点を作り出せる「イナゲル」という主力商品、また「寒天フィルム」は今後の有望商品などを開発。国内シェアは約80%、世界シェアでも15%という。

 この会社の社是は「いい会社をつくりましょう」。経営理念は「社員の幸せを通して社会に貢献すること」。

 赤字だった会社を寒天のトップ会社に育て上げた塚越寛会長は「どんなに儲けている会社があったって、従業員が貧しくて、社会に失業者があふれていれば、それには何の意味もない。世界一の小売店がアメリカにあるけど、従業員の10%近くが生活保護を受けているという。それで『エブリデイ・ロープライス』。いったい何なのって思わないかい」と話しています。世界一の小売店といえば、いわずと知れた「ウォルマート」。この会社のトップは、目をむくような高給取りなのです。

 社員教育の重点は、「人としての生き方や考え方」で、よく引き合いに出されるのが、二宮尊徳の遺訓。
   人、生まれて学ざれば、生まれざると同じ
   学んで道を知らざれば、学ばざると同じ
   知って行うことを能はざれば、知らざると同じ
   故に、人たるもの、必ず学ばざるべからず
   学をなすもの、必ず道を知らざるべからず
   道を知るもの、必ず行はざるべからず

 新入社員も、社員教育を経て、必ず人が変わるというほど徹底しており、社員一人ひとりが人間として成長しているのが自慢だそうです。

 日本は、まだ捨てたものではないですね。心強いかぎりです。

 そして、アメリカのGMが今回の苦難を乗り越えて、社会に貢献する企業としてよみがえり、人々に支持される会社として再び活動してもらいたいものです。ほとんど不可能だと思いますが、それだけ困難な目標に向かって挑戦し、人間の可能性を見せてほしいと思います。