水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1102」

2016-11-20 19:25:10 | Weblog



カルテ番号 ら・1(4)

風間陽水は長寿族を発動してから、いろいろ調べた。
長寿族でなければ理屈に合わない人達が世界中にいる。
逆に言えば、長寿族という考えを取り入れれば、矛盾がなくなる。
例えば、古代エジプトの王には在位400年を超える記述がある。
その為に、歴史学者は同じ名前を代々受け継いだ、と説明した。
伝説では、世界各地に幾つでもある。
その中の一人に空海がいる。
そして、非常に似通った異能者に役の小角(えんのおずぬ)がいた。
山岳信仰の祖であり、通称は役行者。
空海より遡る事、140年前の人だ。

二人とも、超能力者だった。
幾つもの共通点があり、空海は役行者の修行跡を追いかけている。
幾つも、幾つも共通点はあるが、その最後も同じなのだ。
二人とも、死ぬのを誰も見ていない。
死骸が未だに無い。
死後、幾十年も経って、多くの人達が見かけたという話しがある。
陽水は、役行者と空海は同一人物とみている。
長寿族なら、二人いるというよりも、その方が説明つくのだ。

空海については、独自の考えもあるが、黙って聞いていた。
良知和尚は、言葉を続ける。
「書は、一言でいえば予言書です。
空海僧正ほごの法力があれば、未来も見えたのでしょう。
拙僧は研究すればするほど、一般の常識で考えてはならぬとおもいました。
そして、その予言は外れまい、と信じています。
歴代の住職達も同じ思いだったと信じています。
だからこそ、住職を譲る前に、この秘伝書を見せるのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1101」

2016-11-19 19:13:22 | Weblog



カルテ番号 ら・1(3)

良知和尚は一息ついた。
その意味を風間陽水は推測している。
どうやら、良知和尚は門外不出の書の内容を話そうとしているのだろう。
「良知さん、初対面の私に何故、そんな事を話されているのですか?
私はただの治療師です。
ご覧の通り、山の中で細々と暮らすのが精一杯の人間です。
個人相手には、心身の回復にお手つだいができますが・・・
それ以上の影響力は持っていません」

良知和尚は、頷いているが、本気にしていないようだった。
「何故、拙僧が先生の処に来たのか?
それをお話しするにも、空海僧正の書を聞いていただきたい。
その書には、幾つかの要点がありました。
一つは、協力を仰ぐ人の名前です。
御存じのように、空海僧正はおよそ1200年前の人です。
弘法大師という尊称は、死後に天皇が贈ったものです。

とはいえ、空海僧正の最後も遺体も誰も見たことがありません。
高野山の奥の院の地下に眠っている。
即身仏になられた。
荼毘に付した。
いろいろな説はありますが、謎が多すぎるのです。
未だに、専任の僧が奥の院の地下の空海僧正の付き人をしています。
有名な話ですが、口外ご法度の為、本当の事はわかりません。
専任の付き人は幾代も続きましたが、死んでも秘密厳守なのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1100」

2016-11-18 18:40:57 | Weblog



カルテ番号 ら・1(2)

良知和尚は風間陽水の顔をしばらく見つめ、笑顔になった。
その笑顔は、実にすっきりとした、いい笑顔だった。
「少し長い話になりますが、聞いていただけますか?
実は拙僧の寺は、小さいが大変古いものです。
開祖は空海、弘法大師様です。
空海僧正を開祖とする寺は幾つもあります。
本当かどうかは、誰もわかりません。
でも、青龍寺という名前と直筆の伝書が残っています」

青龍寺は空海が唐中期に恵果阿闍梨から灌頂を受けた寺の名前だ。
灌頂とは、密教の継承を許す儀式だ。
唐に渡ってから、2年しないで、何千人もいる弟子達を追い越した。
何十年も修行している僧達からしたら、信じられないだろう。
空海がいかに特殊な人物であったかの一つのエピソードだ。
空海は常人とあまりにかけ離れた出来事を、日常茶飯のように行っていた。
未だに学者などからは、作り話だ、伝説だ、と信用されない事が多い。

「空海僧正の書いたものは、幾つか残されています。
例えば拙僧が見てきたのは、奈良国立博物館に残された書です。
空海僧正の書は非常に特徴があり、あの味は真似できないものです。
形だけ真似ても意味がないほど、圧倒的に違います。
だから、寺に残された書は、空海僧正のものだと信じています。
問題は、その内容なのです。
代々の住職だけに伝えられてきた書でした」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1099」

2016-11-17 19:16:45 | Weblog



カルテ番号 ら・1(1)

「ごめんください」
その男性が治療院を訪ねたのは、夕方だった。
「はい。なんでしょうか?」
今日の予約は無かったはずだ。
「どうしてもお話を聞いていただきたくて来ました」
その切羽詰まった様子に、風間陽水は玄関を上がるように言った。
「突然の訪問を失礼します」
50代後半か60代と思われる、その男性は礼儀正しく深く頭を下げた。

テーブルを挟んで、椅子に座ると名刺を出した。
そこには、名前と電話番号だけが印刷されていた。
良知(らち) 泰山
陽水は名刺を見ながら言った。
「良知さんというと、確か静岡にある苗字だと思いましたが」
「そうです。らちという呼び方も静岡です。
申し遅れました。らち、たいざん、と申します。
静岡で、小さなお寺で務めさせていただいています」

綺麗に光っている頭部は、よく見ると脇に剃った跡がある。
仕事柄、毎日綺麗に剃髪しているのだろう。
「それで、ご用件は?」
どうやら、通常の心身の依頼ではなさそうだった。
着衣も僧衣ではなく、ネクタイはしていないが背広だった。
良知は少し黙ってから話し出した。
「実は、先生の事を知ったのは今日でした。
お名前を聞いた途端に、急にどうしてもお会いしたくなりました」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1098」

2016-11-16 19:12:22 | Weblog



カルテ番号 あ・28 9度目(47)

今後の3年間で、どのくらい変える事が出来るのかわからない。
人間の対応が変わって、それが大自然に影響するかわからない。
地球も意識ある生命体なら、影響がないとはいえない。
期待するわけにはいかないが。
3年間で変える事ができるのは、対象となる人々の意識と行動だ。
起こるのは、ほぼ間違いないだろう。
それでも、対処できる人々が増えればいいのだ。

自然を動かすのは、基本的には無理だろう。
自然に人間が合わせて生きるのが当たり前。
大地震を大災害にするか、中災害にするかは人間次第だ。
小災害だって可能性がある。
全ては人間の選択となる。
石は投げる。
最初の波紋は作れる。
その後は、その後の人達が決めることだ。

起こる事は多くの人が指摘してきた。
もう何十年も前から研究者は指摘してきた。
それでも首都がある重要地区なのに、対策をしない。
それは、起こる時期が不明だった事もある。
今回は、3年後という時が判明した。
判明したといっても、吉永百合を含めた4人しかいない。
この事実を、どう伝えるか、伝わるか。
重いが、出来る事をしていくだけだと、4人は受け止めた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1097」

2016-11-15 19:52:20 | Weblog



カルテ番号 あ・28 9度目(46)

陽水も言った。
「そうなのです。
私達は最初の波紋になれるかもしれませんが、それだけです。
次の波紋、次次の波紋は誰がしてくれるのかわかりません。
でも、変えるのは、そういう人達なのです。
いろいろな事を知るのは、重圧かもしれません。
知ったら、自分達の出来ることを行うだけです。
最後までの責任は取れませんし、取る立場でもありません」

愛田恵子も優しく百合に言った。
「吉永さんは、最初の役目をしたのよ。
実感がないかもしれないけれど。
でもね、これからも大切な役目があるの。
時々、未来がどうなるか、伝えられるのは貴女だけ。
それは、現在がどうなっているか、でもあるのよ。
貴女、とても貴重な存在よ」

愛田恵子は少し黙って思い出しているようだった。
「貴女みたいな人が、あの頃いたら・・・
私が好きだった人も、あんなに早く死なずに済んだかもしれないわ。
今、どんな風になっているか、それは誰もわからない。
でも、貴女がいれば、それがわかるのよ。
未来がわかるというのは、今の世界の状態がわかるの。
繰り返すけれど、貴女は、特別な存在よ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1096」

2016-11-14 19:16:12 | Weblog



カルテ番号 あ・28 9度目(45)

百合は風間陽水の言葉を半分しか理解できなかった。
「それで・・・皆さんにはどんな言葉が伝わったのですか?」
柳玲香が言った。
「私は、言葉が映像のように感じられたわ。
そこには、短く、3年、とだけ」
愛田恵子も陽水も頷いた。
「同じです。
3年、ですが、3年後という感じでした。
3年後に、起こる、と思いました」

百合が言った。
「3年後に大地震が起こるのですか?
関東地方、特に東京中心に・・・」
陽水が言った。
「実際に起こるかどうかはわかりません。
先ほども言ったように、未来は不確定です。
ただ、このままなら3年後に起こると思われます」

愛田恵子が言った。
「起こるか、起こらないか、ではないのよ。
起こるか、変えられるか、なのよ。
その為に、アタシ達みたいのがいる。
もちろん、ここの4人だけじゃない。
他の長寿族もいる。
長寿族だけじゃない。
普通の人達も、同じなのよ。
変えるカギを持っているのは、どこにいるか、誰だかわからない」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1095」

2016-11-13 19:36:05 | Weblog



カルテ番号 あ・28 9度目(44)

風間陽水が言葉を続けた。
「私達も同じです。
たかが数百年長生きしても、何の意味もありません。
生物は何万年、何千万年も続いているのですから。
個人としての能力など、ほとんど意味が無いのです。
でも、周りの生物に影響するのなら、意味が出てきます。
今、愛田さんが言ったように、波紋は広がります。
次々に波紋が広がれば、絶滅する道が変わるかもしれません。
それならば、生物の種にとって大きな意味になるでしょう。

吉永さんの能力は、本物だと改めて教えてくれました。
自分を出さないで、周りを変える。
私達長寿族の中でも、特に優れた能力なのですよ。
今度は、私達の番です。
吉永さんが中継して伝えてくれた言葉を、次の波紋にする役目です。
この中では、最後に目覚めた吉永さんが、最初に仕事をしたわけです。
もちろん、この後も出番があると思います。
未来は、固定ではなく変化して続いているのですから」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1094」

2016-11-12 19:30:00 | Weblog



カルテ番号 あ・28 9度目(43)

「え?どういうことですか?
私、何も話さないで眠っていただけ?」
自分でも、ただ眠っていただけのような気がしていた。
「言葉は出さなかったですよ。
でも、ただ眠っていただけではありません。
私を含めて、全員が一瞬眠ってしまいました。
その時、言葉が伝わりました。
全員、いや、吉永さんを除いて全員が同じ言葉を受け取りました」

陽水はここで内容を整理するかのように一息ついた。
「この現象は、吉永さんがもたらしたものです。
ただ眠っていたのではありません。
とても大きな能力を発揮したのです。
まぎれもない予言です。
多分、ほとんどの人が経験した事のない本当の予言でしょう。
予言者というのは、周りの人に直接伝える仲介者なのでしょうね」

愛田恵子が言った。
「アタシは本物の人達と会ってきたわ。
例えば坂本龍馬。
自分が何かをするというよりも、周りの人達を変えるのよ。
一人だけ特殊能力があっても、それは意味をなさないの。
多くの人に影響するのは、その人の周りが変わるからなの。
池の波紋みたいなものよ。
最初の石は、波紋じゃないわ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1093」

2016-11-11 21:14:54 | Weblog



カルテ番号 あ・28 9度目(42)

「先生、私の声・・・変?」
百合が陽水に言ったその声も、とても魅力的だった。
「変ではないですよ。綺麗な声です。
急に変わったので、戸惑うでしょう。
私達も戸惑っています。
ですが、少年も変声期になると変わります。
変わる時期が来たのでしょうね」

百合は続いて質問した。
この場の雰囲気が奇妙なのだ。
「あの~、私、すっかり眠ってしまったみたい。
眠っている間に、私、何か言葉が出ましたか?」
百合は自分が予言者として呼ばれているのを自覚している。
その為に、今日は集まってくれているのだ。
予言は出来なかったのだろうか?

風間陽水が代表して答えた。
「吉永さんは、まぎれもなく予言者でしたよ。
特殊能力者と言ってもいいでしょう。
でも、予言とか神託とかを私達は勘違いしていました。
というよりも、本物に会った事が無かったので知らなかったのです。
吉永さんは、本物です。
本物は、何も話さないようです」

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