水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・65」

2013-12-21 19:34:58 | Weblog



カルテ番号 か・16(5)

夜の講座の後は各自自由に過ごす。
起床時間も消灯時間もない。各自が考え、行うことだから。
その時間にオプションとして風間陽水の治療、相談時間があった。
とはいえ、個人個人だから予約になり、毎日予定が入っていた。
健康指導者、医療関係者、カウンセラーは自分がかかる相手を探すのが困難なのだ。
患者と同じような悩みも病も持つことがあるのに、立場上簡単に他の治療院に行けない。
カウンセラーは特に相談者の悩みまで引き受け、限界に近い人も多い。
だから、こういう機会は願ったりであり、それを見越しての主催指導者の計らいでもあった。

陽水に依頼するほとんどの人が自分の体調を自覚している。
だが、それに対応する手段を持たないのだ。
仕事で不調な人からの病の氣を受けているから、通常の治療では改善できない。
専門家として知っている健康法や治療法では対処できないから、更に悩んでしまう。
陽水の個人治療は僅かな時間だから全て回復できない人もいるが、対処の方法は教わる。
今まで考えなかった方法が幾つもあるのだ。

片倉信吾は特に体調も悩みもなかったが、陽水が自分をどう診るのか興味があった。
多分二十才ほど若いようだが、妙に老成している雰囲気があったのも興味深い。
そして、片倉信吾の予約時間が来た。
主催指導者と風間陽水だけは一人部屋だ。そこに出かけた。
「片倉です。失礼します」
「どうぞぉ」
ゆっくりとした風間陽水の返事があった。
これが片倉信吾の運命を変えた夜だった。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・64」

2013-12-20 19:06:35 | Weblog



カルテ番号 か・16(4)

風間陽水の実技は体験だ。
実際に氣というものを受けて、どんな感覚があるのか。
一人一人の手や頭や身体に氣を当てていく。
ほとんどの参加者が何らかの感覚を自覚できるようだ。
片倉信吾も初めての感覚を得た。
それまでも気功を受けた事が何回かあった。
だが、実は何も感じないし変化もなかった。
それが、初めて味わったことのない温かさを感じたのだ。

風間陽水は言う。
「感じる、感じないは重要ではありません。私の御師匠様はとても強い氣も出していましたが、本人は他の氣をほとんど感じないと言っていました」
そして続けた。
「氣は多種多様な種類があります。その周波数と自分が共鳴すると感じる、と思えます。
ですから、どんな氣に感応したかが重要ですし、それによりどう変わったかが、更に重要なことなのです」
更に言葉静かに話した。
「つい、強い氣が凄いと勘違いしますが、荒れている氣ほど強いともいえます。
深いところまで影響し回復する氣は、むしろ細微になりますから氣を感じる、というより安心するとか、温かいとかになりますね」


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・63」

2013-12-19 18:05:48 | Weblog



カルテ番号 か・16(3)

五日間の合宿だった。
一日程度のセミナーでは深い内容を理解できないからだ。
場所は群馬県の北辺の温泉宿だった。
参加者は30人限定だった。
よくある大人数のセミナーは、それだけで底が浅いと判る。
大人数を指導するのは質を落とさねば無理なのだ。
片倉信吾は初日の顔合わせだけで、このセミナーの素晴らしさの予感がした。
いろいろが、とてもよく構成されている。これだけで実のある内容だと予想できる。
参加者の経歴、顔ぶれで、それぞれが研鑽しようとしているのがよくわかる。
大企業でそれなりに勤め上げた片倉信吾だ。いろいろな社員を観てきたのだ。

主催講師の他にもう一人講師がいた。
その他にスタッフが二人。
主催講師はヨガをベースにした、身体と心の深いところからの修正法。
そして、もう一人の講師はヒーリング論と気功体験を受け持っていた。
主催講師の道場に20年前に通っていたという。
主催講師が独自で作った講座の第一期生だったらしい。
その後、指導者ではなく治療者(臨床)として歩み出したらしい。
それが風間陽水との出会いだった。

座学と実習を交互に行っていく。
朝起きてから寝るまで、食事もトイレも教わった事の応用実習だ。
無駄な時間は無い。
風間陽水の講座は、一般者よりもヒーリングをする人や治療者向けだった。
参加者には治療者も医師も癒し系といわれるソフトなヒーリングを行う人もいる。
もちろん、治療を受ける立場の人にとっても充分な内容だ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・62」

2013-12-18 19:33:23 | Weblog



カルテ番号 か・16(2)

専門が同じで、プロとしている人達から尊敬される人がいる。
例えば多くのプロ野球選手から、あの選手は凄い、といわれる人。
それが本当の一流、あるいは達人なのだろう。
素人やマスコミの判断では見抜けない凄さが、あるレベルのプロなら判る。
あるレベルとは、プロと自覚できるまで研鑽した人達だ。
そのレベルでも、まだ二流なのだろう。
どんな業界でも多くのプロは、単なるプロから脱していない。
二流まで研鑽しないプロがほとんどなのだ。
一流からは更に上の達人や名人がいるが、それらは一流になって判断できる。

ある健康系セミナーの合宿で、知る人ぞ知る講師が主催した。
その人はセミナーを乱発して行わない。
基準をもうけてはいないが、出席者の多くはプロの人達だ。
通常、教室やセミナーを幾つも持って、先生とよばれる立場の人達だ。
そういう人達が出席するセミナーに片倉信吾は申し込んだ。
指導者を指導するセミナーといってもいい。
当然、あるレベルからのセミナーとなる。

片倉圭吾は場違いとは思わなかった。
今まで知識も実践もかなりしてきている。
もっと深い内容を知りたいのだ。
もう底の浅いセミナーは参加する気にならない。
そして、その講師の噂を聞き、一度参加したいと思っていた。
念願が叶った。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・61」

2013-12-17 19:03:26 | Weblog



カルテ番号 か・16(2)

健康には自信がある。
片倉信吾はそう自負していた。
健康系のセミナーでも講師の人から褒められることが多々あった。
何年も幾つものセミナーや教室に参加していると見る目が出来る。
見るから観る(見えない部分を観る)目が育ってくる。
講師の質が判断できるようになるのだ。
浅い健康論を振りかざす講師は、顔や態度だけでも判断できる。
健康をうたい文句にしていても、体型がすでに不健康な講師もいる。
タバコ臭い講師や、酒自慢の講師もいる。
自己管理を怠っているのを、忙しさを理由にする講師さえいるのだ。
次第に写真や紹介文、謳い文句だけでも判断できるようになった。

秀逸な内容の有名な講師もいるが、マスコミなどで有名な講師はほとんどハズレだ。
幾つもの番組に平気で出る人はタレント業だと思った方がいい。
本物は、ほとんどマスコミには出ないと知った。
それは、健康系だけでなく、あらゆる分野の人達の共通だった。
少し考えれば充分理解できる。
本物を紹介するのに、あの短い時間では無理なのだ。
映像受けのいい底の浅いパフォーマンスだけだという事も解った。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・60」

2013-12-16 19:36:30 | Weblog



カルテ番号 か・16(1)

片倉信吾は今年65歳になった。
一流といわれる大学から一流といわれる会社に入り順調に勤め上げた。
定年退職後は子会社の役員をして週に3日程度の軽めの仕事がある。
三人の子供もそれぞれの道で一人前として暮らしている。
7歳下の妻もいろいろな活動に積極的で、今が一番楽しいと言う。
温厚な性格の片倉信吾は仕事以外でも多趣味だった。
特に健康系の教室やセミナーが好きだった。

身体を鍛えるジムには気が乗らなかった。
太極拳、ヨガ、整体法、呼吸法、氣功などに興味があった。
40年以上の勤労で、仕事は能力よりも健康が第一条件だと思った。
忙しい時はスタミナだと思っていたが、それを含めて体調管理が第一だと思った。
能力があってもスタミナが無ければ長く続かない。結局仕事に潰される。
長く安定していい仕事をするには、その期間の健康が必須だと思っていた。

次第に食事や適度の運動。更に積極的な健康維持法を追いかけていった。
幸い妻は料理が好きで、しかも身体に優しい日本料理系だった。
当然タバコはしないし、お酒も付き合いはするが晩酌のように自分からは飲まない。
できる限りの早寝と朝早くの速歩とストレッチをしてから出社していた。
血圧も理想的、体型もほとんど変わらずに維持していたので、周りからは若いと言われていた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・59」

2013-12-15 19:08:45 | Weblog



カルテ番号 あ・28 再び(8)

愛田恵子は今後も情報を聞き出すつもりらしい。
「愛田さん、その人達からの情報はもう聞き出さない方がいいよ」
「危険だから?大丈夫よ。そんなヘマはしないわ」
「危険もあるけど、立場が違い、視点がズレているんだ。役に立たないよ」
愛田恵子は少し黙った。そして言った。
「そうね。もう関心無い振りをするわね。元々アタシはキマグレママだから」

人は長生きをしても頭が良くはならない。
一を聞いて十を理解する人は、子供時分からいるのだ。単なる個性の一つだ。
愛田恵子は180年生きているから理解が早いのではなく、元々直観が優れているのだ。
だから陽水の言わんとしている事が一言で通じる。
長寿族は秘密を隠さねばならない。
それは長寿の仕組みに組み込まれているのだ。

陽水はそんな愛田恵子に言った。
「長寿には無関心を装っても、秘密結社の動きは見張っていて下さい。それは愛田さんしかできないのですから」
愛田恵子は明るい声で答えた。
「任せろ~。今度美味しいカステラを送るわ」
それで電話は切れた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・58」

2013-12-14 19:22:07 | Weblog



カルテ番号 あ・28 再び(7)

愛田恵子は聞き出した話を続けた。
「最近で動物として一番長生きしている500歳の貝が発見されたらしいわね」
貝や魚などの海の中は条件が安定していれば通常でも長生きな種類が幾つもいる。
特に深海などでは研究ができない領域が多くあり、500歳を超えると推測されるクラゲなどが多くいる。
植物まで広げれば、一万年を超える生物もいる。
雌雄同体のものは、ある意味生死がはっきりしないから、永遠の可能性もある。

「いろいろな動物が特別に長生きしているケースは世界各地に多くあるんだって」
日本だけでも200~300歳を軽く超える動物は多くいた。
それらは、その場所の主と称されていた。
クマもシカもサルも主といわれる長寿の個体がいた。
湖には主といわれる巨大な魚もいた。
長寿の個体は数は少ないが、特別ではなかったのだ。

もちろん人間も同じだ。
「日本では八百比丘尼(びくに)の言い伝えや、山姥の話がなどがあるわね」
「あまりに長生きなので、人魚の肉を食べたなどともいわれたね」
「浦島太郎の昔話も世界各地であるらしいわ」
「童話にしては、最後の部分が変だろう。長生きした人の感想だね」
「油断さえしなければ、私達にとって役に立つ情報が幾つかあるわ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・57」

2013-12-13 20:15:33 | Weblog



カルテ番号 あ・28 再び(6)

愛田恵子は言った。
「その事も何となく聞き出したわ」
天然ボケのように振る舞うが、さすがに激動の幕末から生き延びてきたわけだ。
特に昭和初期から戦争に突入する前と戦時中など特務機関の目は厳しかったはず。
諜報活動の専門家はとても鋭く怖い存在だ。

「極々一部が独占したがる長寿の秘密結社よ。予算は豊富でも人数が限られているの」
技術的にはあらゆる電話の内容など収集できるのだ。
だが、選別、更に分析は人でなくては無理な内容だ。
何しろほとんど正体がわかっていない。
これがウェブ上なら文字だから、幾つもの単語からピックアップできる。
世界中からでも集めて、選別や分析もコンピュータに任せられる。
だが、あらゆる電話をデータ保存できる超巨大サーバーなどない。
だから、電話は特定されなければ安全なのだ。

「そうだね。電話は狙われない限り、思った以上に安全なんだね」
「ね、センセ。何故学者の方が楽なの?」
「頭で考えるからさ。やり手の政治家は行動が先に出るから油断できない」
「アタシ、この国の政治家という職業が作られる時からいたから知ってるの」
藩という箱を担いだままで武士根性も超えられない人達が政治家になっていった。
確かに初めての事柄を乗り切っていった優秀さと行動力は抜きんでていた。
その不完全ながらも文明開化をしたのは勘が優れた行動力ある人達だ。
だから、とても強欲で愚かであろうとも、政治家は油断ならない資質がある。


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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・56」

2013-12-12 21:03:38 | Weblog



カルテ番号 あ・28 再び(5)

思った以上に厄介な問題だ。
権力側が本気になると個人のプライバシーなど無いといっていい。
今までは戸籍などは誤魔化していられたのだろう。
陽水はまだ60歳を過ぎたばかりのニューなので、これからの課題だ。
だが愛田恵子は180歳の今までのようにはいかなくなった。

「その秘密結社って、どんな研究や行動をしているのだろうか?」
「さすがに詳しい内容までは話してくれないけど、実際に長寿が手に入るとして、それを使うのは結社の中でも数人、あるいはトップだけかもしれないわ」
陽水もそう思う。
権力者は仲間と仲良く分け与える、なんてするわけがない。
独占したいに決まっている。
威張る人の肚は小さいものだ。

「どうやら過去の分析が中心みたいね。現物は不明だから」
それを聞き出しているママさんが、その現物なのに・・・
「ということは、学者中心だね。安心は出来ないけど、少し楽だな」
「センセー、本当にニュー?私もそう思うけど、一応理由を聞かせて?」
陽水は癖の額を人差し指でかいている。
「この電話、大丈夫かなぁ・・・」

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