水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・19」

2013-11-05 19:20:19 | Weblog



カルテ番号 い・5(8)

飯綱氏は陽水の身体がどう特別になったのかは解らない。それでも黙って話の続きを聞いた。
「病気を治す事にはそれほどの意味はない。ただ病気をキッカケにして生き方が変わるなら、それは大きな意味となる。僅か100年の生命でも生きることには意味があるからだ。
そして幾つもの変化や転換を体験することが、この世に生きてきた意味にもなる。人は健康時には、あまり他人の話を聞いてくれないが、病気になると真剣に生き方を考えてくれる。そのお手伝いが気功師の仕事だ。というような話でした」

飯綱氏はそんなふうに思ったことはなかったが、言われればその話は充分に納得できた。
それでも苦しんでいる人を回復することができるなら、それだけでも大きな意味だし、治療自体に意味が無いとは思えなかった。
陽水はこの治療をするようになり、46歳から発動した身体になってからは更に誤解されてもかまわないし、理解されるとは思っていない。だが飯綱氏の様子から、もう少し言葉を継ぎたした。
「これでもホームページを作って載せていますし、職業版電話番号も登録してあります。
たまには見つけて問い合わせて来る人もいますよ」
「でも先生の治療が必要で見つけられない人もいるわけでしょう?」
「それは縁が無かった、ということで・・・」

陽水は飯綱氏のようなマジメな治療者をみて、人の意識は生きている範囲で変わるのだとつくづく思う。人は自分の生命の範囲100年くらいまでの考えや想像などの意識でいる。
ところが800年から1000年の寿命を得た場合、感じ方、想像がかなり違う。おそらく生命に対する思いやりが軽いと思われるのだろう。それは仕方のないことだった。
人を生の部分でとらえるが、陽水のような種族は人の生死が同じ重さになってしまうのだ。



(登場する人物・組織・その他はフィックションです)


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