水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1190」

2017-02-16 19:09:38 | Weblog



カルテ番号 る・1(16)

類家真司は院長の言葉に院長の寂しさのようなものを感じた。
この院長は通常の人が見えない事を見えているのではないか?
知らない事を知っているのではないか?
しかも多くの事を解っているのではないか?
そのほとんどを知らないふりをする。
見えていないふりをする。
解らないふりをする。

とぼけたくてしているのではないだろう。
逃げたくているのでもないだろう。
話したいのが本音だろう。
話せないのが実情だろう。
そのもどかしさ、無念さがあるような気がした。
とはいえ、訊いても、解からないと答えるのは明白だ。

「先生は重い病の人も治療するのですよね。
その時、先生の診たてを正直に言うのですか?」
院長の答えは意外だった。
「私の診たてなんて、相手に伝えるような正確さではないのです。
というか、生命を診たてて、伝えるなんて不遜です。
生命は、深く広く、密度の濃いものです。
人間が見える、解かる部分は極浅いところまでです」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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