カルテ番号 ゆ・1(33)
院長は表情を変えることなく言った。
「どういった内容でしょうか?
私はご覧のように、半世捨て人のような生活です。
私に預けても眠ってしまうと思いますよ」
弓削は答えた。
「内容は日本の地震に関することです。
といっても、起こる解析でも予測でもありません。
その逆、起こり難いと思われる地域のデータです」
そして、困ったように言った。
「何故、先生に預けようと思ったのか、は・・・
自分でも、よくわかりません。
先生が表に出たがらないのは、何となくわかります。
考えて言ったのではなく、勝手に口から出てしまいました。
それでも、多分・・・先生に預けるのがいいように思えます」
院長は弓削の顔をじっと見てから言った。
「弓削さん、この先、同じ研究をするつもりですか?」
弓削は、そう問われて、初めて気づいた。
地震学は、ずっとしてきた研究だ。
研究バカの自分は、他の道など考える事もなかった。
それが、どうやら別の道を歩きたがっている。
どうやら意識の底では、研究から離れようとしているようだ。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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