カルテ番号 ゆ・1（34）
「今、訊ねられるまで意識していませんでした。
ですが・・・今までの研究から離れる気がします。
それは癌になったせいなのか、先生に会ったせいなのかはわかりません。
あるいは・・・先生の氣を受けたせいかもしれません。
身体と気持ちが軽くなったのは、事実です。
それ以上に、自分が変わっているのが判ります。
今は、別な道といっても、想像がつきません。
自分に何が出来るのか、よくわかりません」
そして弓削は冷静になるモードに入った。
研究を続けている時には、意識して冷静モードに切り替えていた。
「自分の研究の限界というよりも・・・
自分の研究の役割を果たした、気がします。
何の為に研究者を続けていたのか・・・
その答えが見つかった気がします。
このデータを預けるまでが、役割だったようです」
院長は黙って聞いていたが、一つ頷いた。
「わかりました。
お預かりしましょう。
ただし、私も他の人に渡してしまいますよ。
その内容なら、丁度いい相手がいます。
その際、弓削さんの事も話していいですか？」」
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」
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