カルテ番号 ひ・7（4）
自然現象がもたらす不思議な光景は、自然の中に暮らしていると時々出会う。
特定の現象は、一年で一回見る事が出来ればいい方だ。
だが自然現象は多彩だ。
実際には、注意深く観察していれば、一週間に一回くらいは出会う。
不思議だが、とても綺麗な現象だ。
そして、何故か感動する現象だ。
光、温度、季節、風、雲、太陽、水、そして岩や土と木。
自分という人間が、一つの生物でしかない、と感じる瞬間。
この地球という星に生命を受けた、極小の生き物。
そういう自然現象は、そこに抱かれる小さな、小さな自分を認識してしまう。
人間の人生など、どうでもいいと思える現象なのだ。
変なものである。
人間の人生などどうでもいい、と思えた時から人生を意識する。
どうでもいいからこそ、大切に扱う意識が芽生える。
一瞬なのだ。
自然界の中では、人生は一瞬なのだ。
とても儚い。
そう思える。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
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