今年の元旦は、午前中は年賀状の返信を20枚程書いて過ごし、昼過ぎに伊勢郵便局に投函に行ったきりで、暇つぶしにと、以前志摩の海浜で採集をした海藻を、冬枯れの枯れ木に見立て、棚ざらしに置いてあった添配用の小物品等を添えて、部屋飾りの「置物品」を作ってみた。
そして、夕方になってお湯を沸かしに台所に行き、電気ポットをセットした時にゆっくりとした小刻みな揺れが床を揺すり、家全体が少し揺れたので、震度2程度の「地震」かなと感じ、すぐに収まるだろうと炊事を続けたら、以前「阪神大震災」の時に体感したような、ゆったりとした揺れが数十秒程続いたので、どこか遠方で大きな地震が発生したなと思い、ポケット・ラジオをつけたら、能登半島の大地震( おおじしん )の緊急地震速報があり、NHK の女性アナがヒステリックに津波の発生について、繰り返し大声でがなり続けていた。
即パソコンを立ち上げたら、輪島市辺りが「震度6強」と出ており、後で近隣の志賀町が「震度7」と追加され、大津波警報も発令された事を知った。
この地域はここ2~3年来、群発地震が多発していたので、さほど驚かなかったが、まず興味をもったのは、気象庁がこの地震の発生メカニズムをどのように解析するかであった。 アナウンサーの言う事はあてにならないから、この先々は単一の活断層の再活動後のスプリング・リバウンドによる余震群がずっと多発するのかなと思いつつ、共役する潜在活断層や雁行断層群などへの影響も懸念され、熊本の地震のような「双子地震」の発生が頭をよぎったが、被害状況の報道や関係省庁等の事後対応も、いつも通りだと思いつつ、夕食の準備を続けた。
一夜明けた「辰年」の新年1月2日は、朝から自宅前の舗装道路が少し湿っていたので、夜間に小雨でも降ったのかと思いながら、空を見たら上天気で、風も無く実に穏やかな日和であった。 伊勢市内の道路は、高速道路を来る外来客のマイカー等の侵入が規制されているので、どの道もガラすきである。
午前中は、昨日の大地震のニュースの続報をパソコンで暫く見ていたが、昼前になっても真冬とは思えない程のホカホカ陽気なので、この暖かな日和に誘われて、久しぶりに伊勢市の郊外に自家用のポンコツ車で外出をしてみた。 そして気の向くままにと、1年半ぶりに一之瀬川を遡ってみた。
昨夏の豪雨による宮川の大洪水後には、横輪町以外へは全く出向いていないので、一之瀬川の川原がその後どうなっているのかと、ちょっとだけ眺めに行った次第である。
いつものように、度会町の川口から左岸の県道を遡り、小萩林道まで走ってみた。 林道を少し行った山林の入口は、小萩川左岸の雑木や植林木がかなり伐採され、川岸まで小広く盛土で埋められ、渓流の川原や石溜りが一変していた。 いつもの探石場所は谷川の流路となり、きれいな滝石や五色石、紫雲石、小萩青石などの良石が採れた石溜りは、どこもかも上流から流れ出た汚れた転石礫や、水苔に覆われたゴロタ石に置き変わり、探石に下りる気になるまでもなく、林道から唖然と水流を眺めるだけであった。
時間に合わせて、帰りに小萩川が一之瀬川に合流する出合いの左岸の川岸に立ち寄った。 ここも河岸の立木やブッシュが丸裸に伐採され、真新しいガードレールが川下方向に100m程設置されていて、その下の岩盤が露わになり、かつての川原もかなり狭められていた。
10分程の寄り道であったが、ここでは手頃なサイズの小萩青石の「滝石」と、花柄模様の出る方解石の白脈入りの「紫雲石」をひとつずつ揚石した。
その後、メイン目的の火打石の「天祥橋下の川原」に立ち寄った。 ここは真冬の渇水期でもあり、川原は細長く広がっていたが、その半分ほどは細かな砂利や川砂に覆われ、五十鈴川のような真新しい堆積礫の刷新は無く、ただ歩いただけであった。
しかしながら、諦めかけていた最後の最後に、細脈ながら大変珍しいの紫雲石の「赤筋滝」の妙石を手にした。
今年も、「水石」の探石に始まってしまった。 「辰年」にちなんで、出来れば「龍」の紋様石か形象石( 姿石 )を見つけたいものである。
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