今年の晩秋は、例年に比べてかなり温暖であり、11月の半ばには数日間絶好の小春日和が続いた。 そんな好天の続く11月平日の18日、久しぶりに朝から一之瀬川に出向き、日向橋下の小広い川原に下りて探石を試みた。
一之瀬川の日向橋までは、自宅から車でおよそ30分、約18kmの距離である。ガソリン代の値上がりで、これより先へ行くとなると、遊び半分ではあるが、経済的に見合わない可能性がある。
一之瀬川は、度会町南中村の川上に源流を発し、蛇行しながら北方に流れ、途中で小萩川や彦山川、西山川、五里山川等の支流を合流し、丁度西南日本地質区の外帯を横切る形で、各所に早瀬や淵や川原を形成しながら、10km程流れて川口の村落付近で宮川に合流している。
その為、川原にはいろんな種類の堆積岩の転石が見られるが、そんな中で川原が一番広くて、多種多様の転石が集積しているのが、度会町日向の「日向橋」の下である。
川原での探石はまず全貌を眺めながら、一之瀬川の場合は日射しを考えて、午前中に川下から川上へと辿るのが適している。 只やみくもに歩き回ればよい訳では無く、狭い川原の場合は末端から先端へとUの字型に進み、手ごろな目ぼしい石に出会えば、川原に誰もいなければ流木の小枝を立てて目印にし、折り返した帰りに、もう一度吟味をしながら水石になるレベルの石を見極め、見立てと共に見どころのある石だけを選別し、布製のバケツに入れて持ち帰るようにしている。
だだっ広い川原の場合は、川原を横切るようにN字型に歩きながら進み、ジグザグに探石をするのがセオリーである。
探石の道具としては、行き馴れた場所では軍手とタオル1枚に、布製のバケツ、そして埋もれている石を掘り起こす為の、手頃な長さのカギノミ付きの金棒 ( 又は採鉱用のハンマー ) だけでよい。
遠方への探石旅行の場合は、水石の専門書にあるような服装と帽子、ゴム長、リュックサックなどの装備、さらに古新聞紙、水筒 ( ペットボトル )、食料品、救急用の医薬品等も必要となる。
この日は、ゴロタ石の群れ転がる川原の中を、半日かけての探石でちょっとした逸品を数個見つけ、家に持ち帰ってから、ひとつ一つを鑑賞用の水石に仕上げてみた。 掲載写真の水石は、全てこの日の収穫品である。
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