
6月に入ってから、東シナ海にあった停滞前線が、九州付近に延びて小型の低気圧となって東進し、四国から紀伊半島沖へと足早に進み、東海地方にも6月2日から3日にかけて、2日程地雨の降るうっとうしい日々となった。 このまま梅雨入りかと思っていた処、前線がかなり南下し、低気圧は房総半島付近で発達をし、関東地方から東北地方にかけて、季節外れの強風をもたらせた。 南下した前線は北からの寒冷高気圧に押されてか、日本列島は4日から6日にかけては、高気圧圏内となって太平洋側の東海地方は好天が続き、うすら寒いながらも初夏の行楽日和をもたらせた。
梅雨入り前の束の間のこの好天に、6月4日の雨上がりの朝から、久しぶりに五十鈴川の川原へ出向いてみた。 今春からずっと続いていた五十鈴川の「御側橋」( おそばはし )下の河床の工事は、完全に終わっていて、重機の跡かたも全く無く、元のきれいな川原に戻っていた。
この日は、歩行のリハビリを兼ねて、御側橋すぐ川上の堰堤の下に降りたが、前日までの雨天のせいか、五十鈴川の流れも川瀬が隠れる程水量が多く、清流となって流下していた。 この小広い橋下の川原を行き来しながら見回ったが、少し不自由な右脚の疲れで時々しゃがみ込んだものの、転石を凝視し熱中していたので、軽い痛みなど全く忘れたかのように感じずに採集に終始した。
この日は2時間ほどで、かなりきれいな形状の「神足石」など、掲載写真の通り、比較的珍しい転石礫数個を見つけ、まずまずの結果であった。
この後、いつものように二見浦( ふたみがうら )の立石崎東方の海岸に行ってみたが、今度はこの海岸が護岸工事中であり、残念ながら降り口が塞がれ、立入禁止となっていて海浜には降りられずに、昼前でもあったのでやむなく引き返した。
