今年も一週間を切り、冬日和の続く年末となった。 寒波が到来しても、伊勢地方は例年のように小雪の舞い散る事も無く、穏やかに一年が終わろうとしている。
今月中旬の12月18日には、奥伊勢地方の小学校からの依頼で、10何年ぶりにか教壇に立ち、6年生10名程を相手に教科書の「大地のつくり」の章に関連して、岩石、鉱物等の話と実物サンプル数個の観察指導をさせて頂いた。 小学校の理科室ではあったが、地学の教師として長年高校生達に講義をして来た教室の雰囲気は、僅か1時間の事ながら現場復帰さながらに懐かしく感じられた。
志摩市の海岸へは、12月14日の朝から、その為の実物標本の採集に出かけた次第だ。 志摩の初冬は風も無く、打ち寄せる磯波も穏やかで、大海原を照らす陽射しも伊勢よりは温かい。 そんな好天の中、まず阿児町安乗の外海岸に行って「漂着軽石」を探し終えると、防波堤の階段で日向ぽっこをしている老婆から声をかけられた。 隣に腰かけて、悪い右脚の疲れ痛みをほぐしながら軽石の話をすると、「漂着軽石」の大きなものは、昔から家庭の風呂用などによく拾われていたとの事で、海女をしていた若い頃の今とは違った海岸風景の様子や、ご自身の脚腰が悪くなるまでの磯働きの回想を懐かし気に語ってくれた。
30分ほど当地安乗の昔の話を拝聴し、その後は広々ときれいな弧を描く国府の白浜に立ち寄ったが、全くサーファーのいない初冬の海景を眺めただけで、目的地の大王町名田の大野浜に行った。 ここはいつ来ても、誰もいない筆者の貸し切りみたいな遊び場である。 海食崖の出鼻に囲まれた100m程の弧状の入浜で、浜砂利がビーチカスプを成して堆積している。
その浜砂利の漂礫の中には、潮かぶれで縞目模様の浮き出た珪質岩や泥質岩(珪質頁岩)などのきれいな小礫が入り混じり、その中にかなりの確率で「断層石」がみつかる。
地層の変形の説明や「層内断層」の観察には、うってつけの教材になる。 渚や砂利浜の中を探し回る事約30分、どうにか10数個を採集したが、きれいなものは数少ない。 表面だけがイエロー瑪瑙化した、段丘堆積層由来の「黄色玉石」(きいろだまいし)は、全く見つからない。
もう少し良い標本を得るべく、すぐ南に隣接の名田漁港の海浜に行ってみた。 しかしここも期待する程の成果はなく、同程度の漂礫数個とビーチグラスを少し拾っただけで、なぜか以前のように多産しなくなっていた。 この漂礫の「断層石」が採集出来るのは、名田漁港から大野浜を経た北隣りの畔名の海岸までである。 但し、畔名の海岸への村道は入りにくく、戻るのもひと苦労なので、時間的にみて行く気がしないし、採集出来る効率もあまり良くない。
どうにか教材用のサンプルは、必要数だけ採集出来たので、この日は午前中で帰宅をした。 穏やかな陽射しの温かい師走の初冬の志摩の海景は、何度眺めても青々としていて快適である。
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