アバウトなつぶやき

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進みゆく日本画-近代を映すあまたの美-

2019年04月08日 | かんしょう
 会期の最終日の昨日のことですが、桑名市博物館で開催中の「進みゆく日本画-近代を映すあまたの美-」展を観てきました。

 桑名市博物館は決して広くはありませんが、展覧会ごとに館の所蔵品を工夫して紹介しており、とても頑張りを感じます。
 今回は日本画がテーマの展覧会です。桑名市がどういうものを持っているのかは知りませんでしたが、とりあえず伊藤小坡の作品が観れるようだったので行こうと思い立ちました。
 入場して5点目、鮮やかな版画が目に入ったので作者名を確認すると月岡芳年でした。
 ちょうど昨日まで名古屋市博物館では「国芳から芳年へ」展を開催しており、奇怪な日本画として月岡芳年も紹介されていました。
 そちらの展覧会は観に行っていませんが、国芳の「芳」の字を継ぐ一派の作品が紹介されているとのことで気になっていたのです。伊勢暴動を描いた浮世絵は当時の様子を伝えるにとどまらず動きもあって、さすが国芳に師事したものという感じです。
 自分の勉強不足のせいもあり知らない画家もたくさんいましたが、逆にビッグネームの近代日本画家の作品も何点か出ています。川合玉堂、横山大観などの掛け軸は派手さはないものの彼らの作風が伝わる作品でした。
 そんな中で気になったのは鈴木大麻という画家でした。
 入場してすぐの左手に「松竹群鶴図屏風」という作品があったのですが、鶴の様子が美しいだけでなく、目のあたりなどがとてもリアルです。観すすめて行くと額装や短冊の作品もあり、どれもしっとりとした質感のある美しい作品でした。
 明治に生まれ昭和50年までご存命だった桑名市出身の画家ということですが、経歴として若い頃に前田青邨に師事し、その後小茂田青樹に学んでいます。(以前は知らなかった小茂田青樹も今ならわかる…
小茂田青樹の「虫魚画巻」はとても繊細で美しかった)

 近くにこんな絵を描く人がいたことを知れて良かったです。