アバウトなつぶやき

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エドワード・ゴーリーの優雅な秘密展

2017年06月29日 | かんしょう
今月の初旬に終わってしまった「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展。かなり前に終わった展覧会ですが、他の展覧会のチラシの間から↓が出てきたので感想アップしてなかったのを思い出しました^^;




絵本作家のエドワード・ゴーリーの回顧展になっているのですが、作品紹介や原画の展示数が非常に多く、かなり見ごたえのある展覧会でした。

彼は好き嫌いの分かれる作家だと思います。好きな人は熱烈に好き、苦手な人は怖くて読めない、みたいな。
この展覧会に合わせてMOEが特別編集のムックを発売していたりして、なかなか注目の巡回展です。

私は彼の作品を読んだことがなかったのでとても新鮮な気持ちで楽しむことができました。
が、絵本としてはかなりざわざわした気持ちになります。
ちょっと不気味な絵柄やお話ばかりで、ハッピーエンドのものはほぼありません。
ゴーリー氏は(言い回しは違うと思いますが)世の中は不可解なものだから、そういう不安な気持ちを思い出させる作品を作るのが自分の使命、みたいなことをおっしゃっていたそうです。芸術家気質ですよね~。
人間の暗い部分や世の不条理を表現している作風は、大人になってから読む分には刺激的で面白いと思います。
で、これを子供が読むとどうなのか。。。
これはかなり個人差があると思うんです。何気ない不思議な読み物として通り過ぎる子もいれば、暗い気持ちになったり不安な気持ちになったりする子もいるでしょう。ちょっとおませさんならシニカルな部分を理解して、大人以上に面白いとドはまりする子もいると思います。
一番有名な「うろんな客」はキャラクターがユーモラスで「不思議」で片づけられるタイプのお話なので、子供の頃に読むと忘れられない絵本として大人になっても心に残りそうな作品です。この本なら家に一冊あっても良いかな。

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他にも良い作品はたくさんありましたが、読み聞かせをやってる立場から言えば使いにくい作品群だなぁと思います。
子供が本屋や図書館で出会って手元に置きたくなったならお気に入りの一冊になるだろうし、自分の家族や身近な子供に寄り添いながらゆっくりじっくり読めば思い出の絵本になるでしょう。でも、不特定多数の小さな子に読むのは難しい気がする。私の力量では色んな気持ちを汲み上げる自信ないです(~_~)

うちの息子どもは大きくなってしまったので、もしも孫ができたならうちに置いておいて「おばあちゃんちのあの本読んで」と言われてみたい。
エドワード・ゴーリーはそんな作品を書く方でした。