アバウトなつぶやき

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「印象派を超えて-点描の画家たち」展

2014年03月14日 | かんしょう
午後から名古屋で用事があったので、シロウタと待ち合わせて午前中のうちに愛知県美術館で開催中の「印象派を超えて-点描の画家たち」展を観てきました。


今回は点描の画家を中心に紹介しているため、入り口で「水玉割引」なるものがありました。チケット購入時にドット柄のもの(服でもハンカチでも)を提示すると100円割引なんだそうです。
私、その掲示に気づいたのが購入後でした。水玉の入った服でしたが…残念。


印象派の移り変わりを分かりやすく配置しています。
「筆触分割」と呼ばれる手法=中間色を作るに当たり、絵の具を混ぜるのではなく頭の中で色彩を混合させることで画面の明るさや光の印象を表現する手法(絵の具は混ぜると濁ったり、暗くなったりします)の説明が多くて、それぞれの画家がどういう絵を目指していたのかがよく分かります。※技法の説明等は他の詳しいサイトをご覧下さいませ。
中でも点描を多用している画家として代表的なスーラやシニャックは、実物を目にすることで技法というものを論理的に描いていることを実感させられました。(絵として好きなのはカミーユ・ピサロでしたが)
スーラは教科書にも載っているので誰しも点描の絵としての認識があると思いますが(有名な「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は今回の展覧会には習作の部分しかありません)、なかなか点描ばかりを、しかも間近であれだけの量を観る機会は無いのでとても見応えがあります。
また、そういった筆触分割の理論から派生していく表現が画家によって少しずつ違っているのも面白いところです。
この展覧会の締めくくりがモンドリアンなのもたいへん興味深い点でした。
モンドリアンの絵は、名前では分からなくてもやはり誰でも一度は目にしたことのある絵です。白い画面に黒い線を交差させて赤・黄・青を配置してある抽象画…といえばなんとなく分かる方は多いはず。
筆触分割から始まった点描の点が大きくなり、色の重なりだけで空間を表現するようになっていった先が、三原色で分割された空間…モンドリアンによると宇宙空間というスケールの大きな話になっていくのがすごいです。展覧会内では「究極の帰結」というタイトルで紹介されていました。
絵って、美しさを追求するだけでなく空間を追求していく哲学にすらなり得るんだなぁと感じます。芸術って、結局は思想なんですねぇ。


4月6日まで開催していますので、春休みにお時間のある方はぜひお子さんと一緒に観に行かれてはいかがでしょう。
私の行った日は、高校生を連れた親御さんを何組も見かけましたよ。