お寺のオバサンのひとりごと

心のマッサージにお寺へ行こう!

「劣っている!」

2009年03月09日 | 仏教
 先日、あるご門徒さん宅にお参りに伺った時のこと
 ご門徒さんご家族はもちろん、ご親族もたくさん仏前にお参りなさっていた。

 私、いつものようにお経の後、簡単な法話をさせていただいたのですが・・・
 法座が終わって、参詣しておられたご親戚の女性が、「質問があるのですが・・・」と切り出された。

 「お釈迦様は『法華経』を一番最高の教説と仰っているのですよね」 
 「はあ、法華経の信者の方は、そう仰いますね」と、私。
 「お釈迦様は、そう仰っているのですよ だから、それ以外の経典は、劣った方便の教えにすぎないのでしょう
 
 ああ、攻撃的なこの物言いからして、間違いなく法華経の信者さんだと、思いつつ・・・
 
「お釈迦様の説法に優劣はないと思いますが、仮に法華経を仏道における大学院生に対する説法とするならば、私は、幼稚園生のような、何も善を成し得ない存在ですので・・・
 奥様は、法華経をご信心ください。私は、この念仏の教えしか救われようがありません・・・」

 そのご婦人、勝ち誇ったように、周囲の若い人達に「ほら こちらは、大学院生の教えで、あっちは幼稚園生だって~」と、言い、後は聞く耳もたず、別室に出て行かれた。

 私、あわてて、「いえ、幼稚園生と申し上げたのは、教え自体のことではなく、『自分の自覚』の問題です。お釈迦様の教説に優劣などあるはずもありません。
 真宗の教えというのは、『自分の力で仏に成るような善を何も成し得ない』という自覚のもとにある教えですので・・・」

 まあ、その時には施主のご夫妻しか、聞いておられなかった・・・

 帰り、わざわざ見送りに出てきてくださった施主が仰った。
「失礼なことで、本当に申しわけありません。(その女性が)S学会に入っているものですから・・・」
「はい、S学会の方は『念仏は地獄に堕ちる』とか仰いますものね。」
「そうなんです。困ったもんです」と、施主。

 S学会女性への私のマズイ表現対応に自己嫌悪になりながら・・・
 でも、施主はS学会に傾いておられないことがわかっただけでも安心して・・・何だか、ヒドク疲れて帰宅しました。
 
 
 

 
コメント (9)
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