TOP PAGE BLOG ENGLISH CONTACT




幸田シャーミンが告発する国連広報センター問題について、二度目の質問主意書に対しての答弁書が戻ってきた。また、現地時間の12日に、ニューヨークで赤阪清隆国連事務次長(広報局長)が記者会見し、「幸田シャーミン国連広報センターの辞任について」というペーパーを配布したという。幸田さんも、まもなく記者会見をして反論・対決をするようだ。今日、報道されるニュースの根底には、「パワーハラスメント」「人間関係のこじれ」などとは、ほど遠い大きな問題が隠れているのではないかと感じる。質問主意書をこのブログの読者の皆さんに読んでもらうには、一問一答式に整理した方がいい。このところ、電子データで主意書も送達しているし、答弁書を閣議決定した後は各省庁とも答弁書の電子データを送ってくれている。ところが、外務省は明らかに動転していて「答弁書の電子データ送付は拒否する」という頑なな態度を見せた。すぐに、多くの人の目につくのが困るからとしか思えない。さっそく、若手スタッフに頼んで打ち直したものを今日は掲載することにする。熟読してもらいたい。

国連広報センターにおける不正会計処理問題に対する日本政府の対応に関する質問主意書&答弁書

 国際連合広報センター(以下「国連広報センター」という。)における不正会計処理問題については、平成二十年五月二十一日付で質問主意書を提出し、その答弁書が平成二十年五月三十日に出されたところである。この回答に関する再質問、及び関連する質問を行う。

 先の質問主意書で明らかにしたとおり、日本国は、国連の活動に対して分担金、拠出金など資金の拠出を行っている。その資金は、国民の税金から支出されており、その資金は、ルールに則った使い方がされなければならないし、更にルールに則った使い方であるとの説明がつくとしても、国民常識に照らして適正に使わなければならない。

 日本政府は、国民の税金の使途について責任を有している。国連に拠出した資金であろうと、国連の自由裁量に任せていい問題ではない。その使い方が適切ではない場合には、国連に対して、過去の不正経理に対する資金返還などの措置及び将来における是正措置を求め、さらに、必要に応じて、今後日本国から資金拠出をしないなどの措置を講ずる責任がある。

 国連の改革は、安全保障理事会の常任理事国問題だけではない。国連行政がルールに則り適切に行われているか、また、効率的に行われているか、さらに、各国から拠出された資金の使い方に不正な処理はないか、また、無駄遣いがないかなど多岐にわたる国連改革が必要である。日本政府は、国連改革に責任を持って取り組むべきである。そこで、次の事項について、質問する。

一、国連広報センター(UNIC)への施設費に相当する拠出について

1、国産広報センターは、東京都渋谷区神宮前の国連大学の施設の中に事務所を持っている。一方、国連大学の建物は日本の国有財産であり、土地は東京都が無償貸与しているにもかかわらず、施設費を出しているが、施設費とは何を賄うための拠出か、また施設費はいつから拠出するようになったのか、その経緯及び日本政府が拠出するに至ったのは、どのような判断によるものか。

(答弁)一の1について
  
東京国連広報センター(以下「UNIC東京」という。)の施設費は、国連大学において、UNIC東京を含む国連大学施設全体の維持管理費に充てられていると承知している。これは国連大学と文部科学省との間の取決によって国連大学本部施設(以下「本部施設」という。)の一部を駐日国連機関事務所に使用させることができ、「普通財産の管理及び処分に係る標準契約書式及び同取扱要領について」(平成十三年三月三十日付け財理第一二九八号財務省理財局長通達)により、その維持管理費用を賄う程度の使用料を徴収することが認められているからである。

 国連において国連広報センターの統合・合理化が議論される中、国連が当該機関の所在地国政府に施設費を支援するよう強く求めたことから、我が国は平成十六年度予算より拠出を行っている。

2、国連大学の施設内に事務所を設置している他の国連機関に関して、同様に、施設費を拠出している例があるか。もし、あるとすれば、どの機関で、いくらか。また、もし、ないとすれば、日本政府が、国連広報センターについて、特別の拠出をしている理由は何か、また、他の国連機関の事務所は、施設費相当する資金をどのように手当てをしていると承知しているか。

(答弁)一の2について
 
国連大学の施設内に事務所を設置している他の国連機関に対して政府が施設費を拠出している例はない。UNIC東京の場合は、一の1について述べた理由により我が国が拠出している。他の機関の本部が施設費相当額を支払っていると承知している。

3、これに関連して、国連大学の建物内に国連大学協力会が事務所を設置しているが、国連大学協力会は国連の機関ではないにもかかわらず、どのような法的地位をもって東京都が土地を無償貸与し、我が国の国有財産である国連大学の建物の中に事務所を設置しているのか、また、そのことについての日本政府の見解は如何。

(答弁)一の3について
  
国は、本部施設を、国連大学本部に関する国際連合と日本国との間の協定の実施に伴う特別措置法(昭和五十一年法律第七十二号)に基づき、国際連合大学本部に関する国際連合と日本国との間の協定(昭和五十一年条約第七号)を実施するため、国連大学に無償で使用させているものである。東京とは財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例(昭和三十九年東京都条例第二十五号)に基づき、同協定に定められた本部施設の用地及びその施設関連用地を国連大学に無償貸与しているものと承知している。同協定に基づき締結された国際連合大学本部施設の無償使用に関する国際連合大学と文部省との間との終結で本部施設の第三者使用について国連大学の活動に関し必要な援助又は、協力を行うことを目的とする団体に使用させる場合に認めており、財団法人国連大学協力会は、これに該当することから国連大学が本部施設の一部を同財団に使用させているものと承知している。

二、国連広報センター不正経理について

1、日本政府は、平成十二年ごろから国連財政手続規則において禁止されている前払いが行われていたとあり、UNIC東京の所長は、平成十年十一月から平成十二年六月まではテルマ・オコン・ソロルサノ氏、平成十二年八月から平成十四年八月までは高島肇久氏という回答をしているが、手続規則違反行為はテルマ・オコン・ソロルサノ氏が所長の時に始まったのか、それとも、高島肇久氏が所長の時に始まったのか。

(答弁)二の1及び3について
  
平成十九年に実施された国連の内部監査によれば、平成十二年頃から、国連財政手続規則に違反した前払が行われていたとのことであり、具体的にだれが所長の時に始まったのか時期を明確にしていない。政府としては、この内部監査が実施される以前に、このような事実を承知しておらず、決算報告からでは国連財政手続規則違反は発見することはできないものと考える。

2、平成二十年五月二十一日付質問主意書の質問一―3―(1)―(ウ)の「会計処理の責任者及び担当者」について、回答がないが、政府は、回答をされたい。

(答弁)二の2について
  
平成十二年度以降のUNIC東京の会計処理の責任者については、先の答弁書(平成二十年五月三十日内閣衆質一六九第四一〇号)一の3の(1)についてで述べたとおりであり、担当者については、氏名が公表されていないことからお答えを差し控えたい。

3、日本政府は、国連事務局及びUNIC東京より毎年広報活動及び施設費の決算報告を受けているということであり、さらに、平成十二年頃から国連財政手続規則において禁止されている前払いが行われていたと承知していると回答いる。また、平成十二年八月から平成十四年八月までUNIC東京事務所長であった高島肇久氏は、その後、外務省の報道官に就任し、外務省において容易に事情を聴くことが可能であったにもかかわらず、日本政府は、なぜ、毎年決算報告を受けていながら、国連事務局及びUNIC東京に対して是正措置を求めなかったのか。日本政府は、不正経理を知りながら故意にそれを見過ごしていたのか。または、決算報告により不正経理を見抜く能力がなかったのか、あるいは、決算報告に虚偽の報告があり不正経理を見抜けなかったのか、いずれか。

4、平成二十年五月二十四日付質問主意書の質問一―3―(1)―(イ)の「国連本部に虚偽の報告をしていた事実はあるか。あるとすれば、それはどのような国連規則の違反になるのか」について回答がないが、政府は、回答されたい。

(答弁)二の4について

 国連事務局の説明によれば、UNIC東京から国連本部に対して前払の事実を報告しておらず、当該前払は、国連財政規則一〇五の五、一〇五の六及び一〇五の一九に違反しているとのことである。

5、日本政府は、平成十二年頃から国連財政手続規則において禁止されている前払いが行われていたと承知しているとし、他方国連の内部監査によれば平成十七年に三件の前払いが行われた旨の回答となっているが、平成十二年頃から規則違反があることが明確になっているにもかかわらず、平成十七年度分以外の監査が行われていない理由を、日本政府はどう理解しているか。また、日本政府が拠出した資金に不正な支出があることが明確であれば、日本政府はその実態究明を国連に求めるべきではないか。また、求める意思がないとすれば、その理由は何か。

(答弁)二の5について

 平成十六年以前の国連財政手続規則違反の有無については、現在国連事務局に照会中である。

三、国連広報センターの疑惑について

1、日本政府の回答「二の2について」では、どこまでが国連事務局が平成二十年五月十五日に行った、記者団に対する説明で、どこからが日本政府の見解かが明らかでないが、「当該説明の内容は、国連による内部監査の結果と齟齬があるとは承知していない」との部分が日本政府の見解であるとすれば、日本政府は「個人が不正に金を着服した等の疑惑はない」旨が監査報告書に実際に記載されているかどうかを明らかにするために、また、質問主意書への回答の事実に関する部分を明確にするためにも、国連の監査報告書を公表ないし概要をここに明らかにすべきと考えるが如何か。また、政府は、その監査報告書をいつ入手したのか、明らかにされたい。

(答弁)三の1について

 平成二十年三月に外務省において御指摘の監査報告書を入手しているが、国連の内部文書であるので、公表の可否については現在国連側に照会中である。

2、平成十二年ごろから国連財政手続規則において禁止されている前払いが行われていたが、国連の監査が平成十七年分しか行われていないことによって平成十二年以降の不正な経理が行われていた金の流れが明確になっていないにもかかわらず、日本政府は、「当該説明の内容は、国連による内部監査の結果と齟齬があるとは承知していない」とし、「個人が不正に金を着服した等の疑惑はない」との見解に至った根拠は何か。また、日本政府が、監査報告書のほかにこのような見解に至った調査結果を入手しているのであれば、その資料の概要を説明されたい。

(答弁)三の2について

 御指摘の「個人が不正に金を着服した等の疑惑は無い」との見解は国連事務局の見解であって、政府としては、国連による内部監査の結果と齟齬があるとは承知していない。

3、前払い先の業者である「ACC Co.  Ltd」、「O.B.One CO.Ltd」、「TRY Co.Ltd」は、国連広報センター以外の国連機関と取引しているかどうか把握しているか。

(答弁)三の3について

 お尋ねの取引の有無について、政府としては把握していない。

4、日本政府は、国連広報センター以外にも日本に事務所を有する国連機関が日本の拠出金を不正に支出していないかどうか確認する用意はあるか。

(答弁)三の4について
  
各国国連機関は、国連の監査制度に基づいた監査を受けており、UNIC東京以外の国連機関については何らかの会計上の問題が報告されているとは承知していない。

四、国連広報センターの職員の給与について

1、国連広報センターの職員の給与は、日本も拠出している国連の各国からの拠出金から賄われており、その給与は、手当の支給額の決定を含め、どのような手続きで決定されているか。

2、国連センターの職員のうち、車のドライバーの給与は、年約一〇〇〇万円になるというが、それは事実か。また、日本政府として、そのような給与額の決定は適切なものと考えるか。

(答弁)四について

 国連職員規定及び職員規則に定められた手続に従って、給与が決定されていると承知している。政府としては、個々の職員の給与の学について具体的に承知していない。

右質問する。

(以上)

また、本日第3弾の質問主意書を提出する。この問題の根底に何があるのか、明日以降にまとめてみたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« 小手先の修正... 大きな節目を... »