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国会では議院運営委員会委員長の解任決議案が提出された。社保庁改組「日本年金機構」法案、ドタバタ版「年金記録喪失対策」の特例法案と連続強行採決した与党側の苦し紛れの「強気」路線に対して、野党は桜田厚生労働委員長の解任決議案、さらには柳沢厚生労働大臣の不信任決議案と徹底抗戦を予定している。今日は長い夜になりそうだ。ただ、民主党が途中で「軟化」して腰砕けになる事態だけは避けるように、社民党・国民新党ともに求めているところである。

安倍政権が、「美しい国」を掲げて昨秋に「教育基本法」、「防衛省昇格」「米軍再編の巨額支援」「憲法改正・国民投票」と続けて強行採決を行ってきた。ついでに「少年法」や「更生保護法」などの強行採決も悪のりして続け、巨大与党下の衆議院は「毎日が強行採決」という異常な風景となった。異常な状態に与党議員たちも慣れてきて、あらゆる法案審議が手抜きとなり、数時間もかけずに形式的な審議をすると「採決」と叫ぶような自動スタンプ機と化した「国会崩壊」の状況が続いている。だから、いつもと同じように「日本年金機構」法案の強行採決を先週の金曜日に行った。

思わぬ国民からの批判が集中したのは、政府・与党の国会運営に対してだった。これで、問題は鮮明になっただろう。安倍政権に社会保障や雇用問題、格差解消に取り組む意欲も能力もなく、ただ「岸信介のやり残したこと」にこだわるレトロな戦前ニッポンへの回帰と米国追随にのみエネルギーを注いでいる政権だということが誰の目にも見えてきたのではないだろうか。

この後、2時30分から逢沢一郎議院運営委員会委員長の解任決議案の提案・討論・採決。そして、5時15分より桜田義孝厚生労働委員長の解任決議案の提案・討論・採決。さらには、8時30分より柳沢厚生労働大臣の不信任決議案の提案・討論・採決……そして、政府提出の「日本年金機構法案」と与党議員立法の「特例法」の討論・採決と続く。「年金」をめぐる攻防は深夜まで続くことになる。

さきほど5時15分からの本会議で「桜田厚生労働委員長の解任決議案」の賛成討論を行った。以下、その文面を示しておく。

「厚生労働委員長櫻田義孝君解任決議案」賛成討論 社民党・市民連合 保坂展人 
社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました「厚生労働委員長・櫻田義孝君解任決議案」に賛成の立場から討論を行ないます。

 政府提出の「日本年金機構法案」、与党議員提出の「年金特例法案」に関わる審議は、社会保険庁という組織のあり方だけでなく、年金制度の信頼を根底から問うものであり、現在から将来にかけての社会保障制度の基幹となる重要なものでした。

 ところが、厚生労働委員会では議論を封殺するための強行採決が続いています。5月25日(金曜日)に「機構法案」、さらに昨日「特例法案」をめぐって二度にわたっての暴挙を重ねた桜田厚生労働委員長のふるまいは言語道断です。「機構法案」では5000万件の年金記録の精査のための、そして不払い年金支給のための「財源・予算を示せ」という基本的事項にも答弁が出来ず、また特例法では「政府部内での連携」についても何ひとつ具体的に答弁出来ずに、「どうぞ国民の皆さん、大丈夫です。御安心下さい」「救済法案を出しますから政府を信じて下さい」と居直る政府・与党は、いったいどういう神経でしょうか。誰が信じられますか。

 機構法案の強行採決への国民の怒りが高まったのに危機感を深めた安倍内閣は、特例法案というインスタント議員立法を与党につくらせました。本来なら、内閣は機構法案の欠点を認め、重大な瑕疵を放置して「年金不信」を増大させたことを国民に謝罪して、法案を撤回すべきではありませんか。議員立法を官邸が指示するなどとんでもない。筋違いもはなはだしいと言わざるをえません。

桜田厚生労働委員長は、この際、政府与党の議員立法をたしなめ、「機構法案の強行採決の取り消し」と「年金記録問題の集中審議」を決断することが、議会人としての良識ある選択でした。

 ところが、25日(金曜日)の年金破壊の強行採決の不始末の上に、さらなる強行採決を重ねたのが桜田委員長です。この間の委員会運営は、巨大与党による数の力にものを言わせた極めて乱暴で強権的なものでした。野党の質問に答えず、まったく「的外れな答弁」をすることで審議をかわそうとする柳沢厚生労働大臣に対して、一度として注意すらできませんでした。野党委員が「審議にならない」と異議を唱えても、質疑者に「発言を続けてください」と大声で言うばかりで、審議の深まりを阻み、また混乱を拡大した責任をまぬがれることはできません。

 強行採決を何度重ねても恥じることのない櫻田義孝君は厚生労働委員長としてまったく不適格であり、解任に値することは、もはや明白です。議員各位のご賛同をお願い申し上げ、賛成討論といたします。(5月31日衆議院本会議)



                                     


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