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5月18日(金)厚生労働委員会、そして先週の23日(水)の予算委員会と続けて「グリーンピア南紀」問題での厚生労働省年金局と柳沢大臣の無責任ぶりを追及した。国会審議は、時間が限られていることもあって、すべてを言い尽くすことが出来ずに、どうしても荒削りの議論となる。そこで、野党合同で構成している「公共事業チェック議員の会」(鳩山由紀夫会長・保坂展人事務局長)で、厚生労働省を国会内に呼んでヒアリングを行った。

ところで、この1週間で那智勝浦町をめぐる状況は激しく動いた。私が那智勝浦町を訪れて中村詔二郎町長に事情を聞いたのは、5月20日(月)だった。この日、ボアオ側から提出された事業計画を変更する書面は、「不完全なものでページの欠番がある」という代物だった。しかも、「営業上の秘密なので町長と関係課長に限る」という前代未聞の誓約書に町長がサインをしたということが、メディアや地元議員からの強い批判を浴びた。23日(水)に衆議院予算委員会で短時間ではあったが「グリーンピア南紀」問題を放置出来ないと指摘した。質疑の最後に総理に釘をさした。

(保坂)「二階大臣当時の紹介で香港ボアオという会社との契約を急いだ。ところが1年半、全然進展しない。こんなことを放置すべきではない。安倍総理いかがですか」
(安倍総理)「本来の趣旨から則って、公益性の観点から対応するよう厚生労働省に指示したい」

 そして、5月26日(土)放映の「ウェークアップ・ブラス」(読売テレビ系列)で『徹底追及第2弾・グリーピア南紀の怪』が放送された。「年金記録5千万件」が宙に浮いているという問題を覆い隠すようにして強行採決された前日(25日)の厚生労働委員会の様子と共に、年金資金が大量に注ぎ込まれたグリーピア南紀で起きていることは、広範な怒りを呼んでいる。この番組が放送された直後、土曜日の昼に中村那智勝浦町長が「高血圧・肝障害」で通院していた町立温泉病院に緊急入院するというアクシデントがあった。

「渦中の人」が不在となった那智勝浦町では、町議会のグリーピア跡地利用に関する特別委員会が開催され、中村町長の職務代理者が「企業秘密にて非公開」とした計画書概要を公開するという判断もあり、「霧の中」が少しだけ見えてきた。どうやらボアオは、別荘にしか見えないゲストハウスを先行して建設し、当初の計画から「5年先延ばし」でホテルを開業すると当面の再生事業を棚上げして、「ホテル運営会社」や「投資ファンド」を募集するという無責任な内容だった。これでは、批判を遮るために非公開を要請していたとしか思えない内容で、ボアオにグリーピア南紀再生の力量がそもそも存在しないことを強く印象づけた。

年金福祉事業団が建設した「グリーンピア南紀」は年金被加入者に対しての福祉還元施設として年金保険料の金で作られた。「国有財産」よりも年金被加入者・受給者、すなわち国民の「共有財産」なのだ。122億円かけて建設され、運営経費14億円に利払いなどの経費を加算すると100億円、計222億円を超える年金保険料が消えた現場が「グリーンピア南紀」だ。

 今日のヒアリングで厚生労働省からは、特筆すべき回答は得られなかったが、「事態の解決を急いでいる。6月末には国に対して自治体が定期的に報告しなければならないので、もう少し様子を見たい」というスタンスだった。私たち公共事業チェック議員の会では、野党合同の調査団を編成して近く現地調査を企画することとし、厚生労働省に対して協力を要請した。ここまでが、この間のあらすじである。


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