「無題」
今年、無我夢中で荒れ狂う濁流の中に立っていた。ごうごうと流れる水の力は強くて立ち続けることも辛い。
水勢に呑まれて押し流されそうになると、土砂と落石で川の流れが変わって急に流れが変わり、いっとき態勢を立て直すことが出来て助けられた。
雷鳴と共に予想もつかぬ奔流が押し寄せてきて、これまで手をつないでいた友人たちと離ればなれになって水中を転げ回ったが、偶然同じ流木につかまって手をとりあった。
再び土砂降りになり水量が増えて、今度こそ危ない……という場面になって気がついた。
対岸に大勢の人々が集まってくれたのだ。朦朧とした意識の中で、「頑張れ」という声が残響音のようにコダマする。
足に力がこもる。風雨はやみ曇天から太陽が顔を出して、水は引いていった。進むことは出来なかったが、倒されることもなかった。
地の力、人の輪が私たちを支えてくれた。
(2006年12月29日)
半分夢模様で書いてみると、無我夢中でひた走ってきたこの1年の国会活動のきわだった特徴は、連日のように開かれた院内集会や勉強会、そして『どこどこ日記』による発信で「市民と政治」の距離が縮まり、タイミングを外さずに多くの人たちから声援を得ることが出来たという点にある。教育基本法の可決・成立は実に残念だったが、「いじめ・未履修・TMやらせ封印」でボロボロになりながら、自民・公明提案の教育基本法改悪案が通ったという印象が強い。たしかに反対運動は、採決を阻止することは出来なかった。しかし、私たちは悲観するほど少数派ではなく、多くの人々を代表している「憲法感覚」とつながっているという自信が持てた。
共謀罪は、今回も水際で審議入りを阻止出来たが「教育基本法審議」が会期末ぎりぎりまでかかったということが、巨大与党の暴走を阻止した要因だ。アメリカ合衆国の国際組織犯罪対策条約の留保をめぐる「事実認定」が議論のポイントとなったが、このブログの熱心な読者なら知っている日本政府のまやかしは、多くの人々が知らないままにある。この秋に出した『共謀罪とは何か』(岩波ブックレット)を参照して、各地それぞれに運動を広げてほしい。
来年の参議院選挙は、与野党逆転をかけての総力戦となる。このブログも、さらに独自情報・調査にもとづいた問題提起が出来るように心がけていきたい。
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