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つい先日までの暑さはどこへやらで、9月に入ると秋の虫の音が響き出した。だんだんと接近してくる台風の影響で涼風が訪れているのだが、あっという間に8月が終わってしまった。また暑さはぶり返すにしても、夏は終わったという感じだ。まもなく国会が始まる。今日のニュースでも、新農水大臣の補助金に関わる問題が報道されている。「農水大臣」こそ、今回の内閣改造で「身体検査」に腐心したポストである。しかし、3日もたたないうちに「辞任はしない」などと述べている事態となっている。また、厚生労働省の元局長の金銭疑惑も噴出して、「自民・官僚レジーム」はガタカタである。

私が国会に足を踏み入れた96年11月、新人議員として感想を聞かれたのは「官僚と関係業者、政治家の癒着」についてだった。以後、思い出せないくらいの事件が続発し、ついに「大蔵スキャンダル」が炸裂した。当初、立法に消極的だった橋本元総理も、国家公務員倫理法制定に踏み切る。私は「国家公務員倫理法」の立法実務メンバーとして議論に加わった。当時の自民・社民・さきがけ政権の末期、1997年のことである。野中広務氏を座長とする全体会の下に、各党実務者によるプロジェクトチームが、小川元氏(引退→チリ大使に)をチーフにしてつくられた。自民党から大田誠一氏、さきがけから武村正義氏らと共に「倫理法」の骨格づくりを議論した。こうして、人事院に国家公務員倫理審査会が設置され、5000円以上の報告義務などを定めた国家公務員倫理法が1999年に制定される。

この立法過程で不可思議なことが起きた。衆議院法制局から各省庁の担当者に「法案」の案文が出回ってしまうという出来事だった。法制局は、慣習的に法案の条文化作業の前に関係省庁とすりあわせをする。だが、「国家公務員倫理法」は各省庁の利害と密接に絡み合うわけだから、秘密厳守の取扱いが必要だった。。。しかも、立法に関与する私たち議員が誰も目を通さないうちに、規制対象となる霞が関の官僚たちが議論を始めていた。。温厚な小川氏が激怒し、倫理法は霞が関の官僚にとって、当初よりは厳しいものになった。しかし、「キャリア・ノンキャリアという身分制度」「天下り規制」は棚上げとなる。

時代はめぐって、この秋から参議院を舞台にした立法作業を支援することになりそうだ。かつての議論が到達した点、正面から向かい合わずに回避した点を事務所に残されている10年前のファイルをめくりながら、問題提起することが出来れば幸いだ。。



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