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今朝の朝日新聞は「諫早、常時開門へ」「首相、上告断念固める、段階的開門から転換」と大きく一面に書いている。私は、この1週間の間「今度の福岡高裁判決で、菅総理が上告したら、その瞬間に政治生命は終わる。その後は、変節「菅」と集中砲火を浴びるだろうと断じてきた。ところが、官邸筋から聞こえてくるのは「政府は開門方針だが、地元関係者との協議が整っていない。だから、形の上では上告して話を詰める」というものだった。これは、判例を確定させずに「和解」に持ち込もうという官僚の智恵だった。

 〔引用開始〕

 菅直人首相は14日、国営諫早湾干拓事業(長崎県)で潮受け堤防排水門の5年間の開門を命じた福岡高裁判決について、上告を断念する方針を固めた。判決は確定し、干拓の事業主体の農林水産省は2012年度にも長期開門調査を実施、常時開門となる方向。段階的な開門は認めるという同省の路線を抜本的に転換する判断だ。

 1997年、誕生したばかりの民主党の原点とは「大型公共事業からの転換」であり、その原風景となったのが、諫早湾現地に何度も入って「ギロチンを落とすな」と訴えた菅直人・鳩山由紀夫両氏の行動だった。その後、ギロチンが降りて調整池の水質悪化が始まった諫早干拓地に入った菅氏は、「なぜ水門を開けないのか」と叫んだ。もちろん、一貫して私も同じ意見と思いだったことを付言しておく。

 朝日新聞は、「菅総理、上告断念」がほぼ固まったと伝えているが、絶対に上告したい農水省と西岡参議院議長を中心とする民主党長崎県連は「開門絶対反対」だ。「開門方針だけ示して上告」という世にも不思議な対応を選んでしまう危険性はまだ相当大きいと私は見ている。先週、1211日の神保哲生さんとのトーク「政治の言葉はなぜ伝わらないか」で改めて、自分で気がついたことがある。

 論理性・合理性を欠いた説明のつかないことをごまかしたり、糊塗しようとすれば、「何を言いたいわからない話」になる。「八ッ場ダムは、中止方針を堅持しつつ、本体を除く関連工事は進めていく」(前原前国交大臣)「今後『中止には言及せず』に、関連工事を進めながら、予断を排して地元の皆さんとの検証作業を進める」(馬淵国交大臣)の悲惨な状況は何度も書いてきたが、「調整が必要なので、上告をするが、対決的な上告ではなく、水門を開く方針だ」と聞かされても、誰もが首を傾げるだろう。「わかりやすい伝わる言葉」は合理的に脈絡が理解出来るものでなければならない。

 『八ッ場ダムはなぜ止まらないか』(保坂のぶとの現場レポート)が発売されて3週間になる。毎日事務所に申し込み用紙が届いて、順調に広がっている。ぜひ、まだご覧になっていない方は見ていただきたい。「最近、見るべきテレビ番組が少なくて」と嘆いている方や、「政権交代って何だったのだろうか」と考えている方に、ひとりでも多く届けたい。長さは43分なので、社会科の授業や大学のゼミ、自治体議員の皆さんの勉強会、イベントなどにも活用してほしい。年内で1000本に到達すれば、次回作の制作にかかることが可能となる。

 

 〔八ッ場ダムはなぜ止まらないか・予告編1分23秒〕

 申し込みはこちらへ

 http://www.hosaka.gr.jp/books/dvd.html

  〔引用終了〕



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