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驚いたことに月曜日に最終的に校了した『官の錬金術─ 失業保険1兆円はどこへ消えたか』(WAVE出版・税別1500円)の見本本が届いた。編集部の松井さんの大健闘である。スピード時代と言っても、たった2日で印刷・製本が出来てしまうとは週刊誌並みだ。

しかし、日本の官僚社会の足どりは重く、旧態依然とした雇用保険の無駄は「微調整」はあっても、大きく変わることはない。年金保険料の中から事務費を抜き取り、社会保険庁の職員住宅を作っていたということを私たちは批判したが、雇用保険もまた保険料から今もなお職員住宅を建設している。05年までの6年間で、全国に作られていた職員宿舎は13棟、費用は24億6900万円も費やしている。

社会保険庁だけが悪者にされた監修費だが、どっこい旧労働省関係もズブズブで、広報関係の契約一覧を取り寄せると「随意契約」で特定業者が何度も百万部単位の雇用保険のパンフレットを受注しているのが分かる。国民年金の広報がなぜ何百と星の数ほど作られるのか。

これは、公益法人が仕事をしている証として必要であるからで、保険料を払っている国民や勤労者のためにあるのではない。年金や雇用保険のパンフレットが山と作られて陳列されて、余れば大量廃棄というデタラメを繰り返している国がいったいどこにあるだろうか。

労働組合が弱体化し、雇用保険の官権ビジネスへの垂れ流しに怒りの拳ひとつあがらない。リストラで苦しめられ、失業給付を削減された人々と共に「小泉政治の聖域」に分け入っていきたい。

今こそ、デタラメな官僚から労働組合は雇用保険財政の管理権を奪い返す時期ではないか。いい加減に雇用保険を蝕む「天下り」「渡り鳥」の侵入禁止ネットを張りめぐらせなければならない。

そのためには、世界に例のない雇用保険三事業をいったん終わらせる必要がある。失業者の職域を広げたり技術的向上を目的とするスキルアップなど限られた事業に止めるべきだ。



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