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菅改造内閣が発足した。トータルにこの改造内閣を総評するほどの立場にもいないので、関心が強く気になるところだけを書いておきたい。民主党代表選挙の後で「ノーサイド」「挙党一致」という言葉が飛び交ったが、閣僚人事を見る限り小沢グループは登用ゼロとなった。原口総務大臣と、山田農水大臣は退陣。副大臣・政務官人事でバランスを取るとしているが、大丈夫だろうか。

 昨日は、法務大臣に小川敏夫参議院議員という情報が流れてきて、千葉大臣が足踏みした「可視化法案」の成立に勢いがつくかと期待したが、最後に決定したのは柳田稔民主党参議院幹事長だった。法務関係の手腕は未知数で、きわめて不十分な千葉前大臣の「死刑」についての問題提起と「国民的議論」も継承されるのかどうかも判らない。

 国土交通大臣のポストにも注目した。馬淵澄夫国交副大臣が持ち上がりで就任した。前原前大臣が退任して次の大臣のスタンスによっては、「八ッ場ダムの再開」さえ言い出しかねない目下の情勢である。マニフェストに書いてあると言っても「普天間」だって宙返りをしたわけだから、「公共事業見直し」の天王山として政権交代後に大きな関心を呼んだ「八ッ場ダム」の今後には注目してきた。馬淵副大臣は、河川局担当だったから、「八ッ場ダム」をめぐる方針は前原前大臣の姿勢を踏襲すると理解するが、問題は前原前大臣の方針がつかみがたいところにあった。

 現在の「八ッ場ダム」は、「ダム中止後の生活支援法案作成」が遅れて、政策判断を棚上げにして時に任せているように私には見える。
「ダム本体事業中止」と言うが、ダム本体工事が全体の事業費に占めている割合は僅かである。取り付け道路や、代替地造成等、ダム建設を前提にした関連工事は一向に止まっていない。この春には、工事費52億円の「湖面1号橋」の着工までしている。馬淵大臣は、政策判断なきダム建設の既成事実化に歯止めをかけるかどうかの手腕が問われている。

「普天間」の行く末は、最大関心事である。この点では、前原外務大臣(以前は沖縄・北方担当大臣を兼務)に北沢防衛大臣、そして仙谷官房長官というシフトは「辺野古」という「既定路線推進」である。名護市議会議員で反対派が多数派になり、沖縄県知事選挙を控えて、沖縄の民意が中央政府とは逆に「新基地建設の受け入れ拒否」に傾きつつある中で、「基地建設への沖縄県民の理解」を得るのに誰が中心に動くのかが見えない。米国との合意を優先して、沖縄との合意を棚上げにしてきた「つけ」はいつか支払わなくてはならない。残念ながら、「辺野古」に反対する沖縄の声を受け止める力は乏しいのではないか。

 先日は、川内博史衆議院議員を筆頭に民主党議員20人が沖縄を訪れて、普天間基地や辺野古海上基地に反対して座り込みを続けている住民らの団結テントも訪れて激励している。民主党の沖縄県連も「県外・国外へ」との立場だ。民主党だけではなくて、自民党も仲井真県知事に「県外移設の方針を明確にすべき」と提言しているような状況で、中央政府が無理強いすれば大きな反発と抵抗は避けられない。

 秋の臨時国会冒頭までの動きを見守り、また現場の動きを伝えていきたい。一昨日で鳩山内閣発足から1年、時間的にも質的にも「政権交代の1年」が終わったことだけは間違いない。


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