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日本では長い間、「官僚と自民党」の持ちつ持たれつの政治が続いてきた。「国会は国権の最高機関」(第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である)と規定されながらも、公共事業の予算獲得のために旧大蔵省=財務省主計局の主査に国会議員が地元市長や地方議員と一緒に「陳情」するという光景はかつて当たり前だった。たとえば、今回起きた年金記録問題のように厚生労働省・社会保険庁がデータ隠しに徹している時に、厚生労働委員会の理事会で、「野党の要求はわからないでもないけれど、役所も一生懸命やっているんだからもういいじゃないでしょうか」とモノわかりのいい与党議員が助け船を出して、委員長が
「これ以上、資料の問題は今日は議論しません」と打ち切ってしまう。結果として、何も出てこない」という光景が、「国会の慣習」となっている。

一度だけこの慣習が壊れたのが、2003年の名古屋刑務所事件を契機にした「刑務所内不審死」の問題解明だった。法務省が「刑務所で死んだ人を特定する作業に数カ月かかります。倉庫の書類を一枚一枚見ながら現在、鋭意探しているところです」と嘘をついていた官房長に、私は独自調査で入手した「死亡帳」という1枚の用紙を差し出した。「これ、何だか説明してくれ」と言うと、「えーっと、これは刑務所で死亡した人をひとりひとり書き込む用紙です」「どこに置いてあるの」「総務課にたいていファイルしてあります」……というあたりで、当時の自民党法務委員会筆頭理事だった園田博之氏が「今まで、我々に嘘をついていたのか」と怒鳴った。「いや、嘘というわけでは」と後ずさりする官房長。「その死亡帳というやつを全部出してこい」と命令した。自民党筆頭理事が要求したわけだから、当然に与野党一致となる。ほどなく法務省矯正局からダンボール4~5箱分の資料が私の部屋にも届いた。

これが、「国政調査権の発動」だ。正確には、委員会の議決によって、政府・官庁に対して要求することになっているが、(第104条 各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない)、10日以内に提出しない時には内閣声明を出さなければならないというたいそうなことになるので、政府側は委員会の理事会における与野党合意、あるいは決定があった時は、「資料提出」に踏み切るのである。ついでに言えば、受刑施設の中の「不審死」の解明は進み、刑務所の中の医療体制や薬物事犯への専門的な治療など明治以来の「監獄法」の抜本改正が必要だという話になり、国会での議論は「行刑改革会議」に引き継がれた。

しかし、ここに書いたことは例外中の例外で、この10年間「国会対応」で役所が冷や汗をかいたことはない。ところが、参議院の委員会の運営を決める理事会で、
例えば年金記録に関しての「調査要求」「資料要求」が出されて、自民党と公明党がこれこまでのように反対しても、理事会の多数は野党なので「理事会決定」をすることが出来る。これだけ騒がれた年金記録問題で、「資料を出すな」と身体を張って厚生労働省を守る与党議員もいないだろうからトラック何台分の資料でも役所は提出せざるをえない。「物理的に持ってこれない」といういうなら、私たち野党が「ワンビシ・アーカイブ」で6月には門前払いをくらったが、実地調査を行えばいいということになる。

こう考えると9月10日から始まる国会で何が出来るのか、ワクワクするではないか。野党調査チームを立ち上げて、「戦後官僚・自民党政治レジーム」が守ってきた既得権益をわかりやすく分解し、廃止に追い込んでいかなければならない。

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