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耐震偽装にライブドア、防衛施設庁にアメリカ産牛肉と頻発する国内問題に目を奪われていたから、イランの核開発問題がデッドロックに乗り上げ、またデンマークの風刺漫画に対しての抗議行動がエスカレートするなど中東・イスラム諸国をめぐる情勢が厳しい局面を迎えている。

国際原子力機関(IAEA)は、賛成多数で国連安保理への付託を決めた。イラン側は査察を拒否し、濃縮再開を打ち出している。ただちに緊急事態と断じるわけではないが、「準緊急事態」であると考える。「大量破壊兵器を持っているかもしれない」という容疑で査察を受け入れ、国連調査団が核施設・生物化学兵器製造施設を確認出来なかったにもかかわらず英米による軍事攻撃がイラクに対しては行われた。

風刺画をめぐるデンマークなどの公館への暴力的抗議も、シリア・レバノンと拡大し、国連のアナン事務総長が「暴力停止」への緊急声明を出した。イスラエルのシャロン首相は倒れたままで政界を引退し、パレスチナ自治政府の評議会選挙では最強硬派のハマスが圧勝して、中東和平の道筋も不透明になっている。これらの出来事は、バラバラに起きているように見えて2006年初頭の世界情勢を不安定なカオスに陥れるだけの強烈な因子を含んでいる。

日本がどういう役割を果たすのが相応なのか。イランの核開発をめぐる強硬路線を説得する「非核国」としての役回りが出来るのか。口から出まかせの大臣と、対米追随の北米局主導の外務省には「外交放棄」のツケがまわって打つ手が限られている。イランをめぐる情勢は、一刻の猶予も出来ないところまで切迫している。



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