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政治の力の源泉とは、議席の数だという神話がある。私は議席の質の方が問題だと考えるが、久しぶりに「数の力」を感じさせる出来事があった。新聞各紙で伝えられているように、民主党は参議院で審議中の「給油法案」を民主党案と共に「継続審議」扱いすることを決めて、昨日の夕刻に野党国会対策委員長会談で私たちにも提示してきた。いったい何を考えているのだろうか。新テロ特別措置法(給油法案)の審議未了・廃案を求めてきた社民党としては、逆立ちしても賛成出来る方針ではない。私たちが反対すると民主党の方針は成立しない。なぜなら、参議院外交防衛委員会の委員構成は、民主党9(委員長を除く)、自民党7・公明党2・共産党1・社民党1で、民主党の方針に共産党か社民党が賛成しなければ可否同数にすらならない。(可否同数の場合は民主党の委員長判断となる) そもそも、民主党が方針を成立させようと考えるのであれば、他の野党の同意を取らなければ成立をしないという「数の壁」があったのだ。

ここでネットでニュースを見ると、さっそく民主党の「継続審議」方針は転換することになり、11日にも参議院外交防衛委員会で採決が行われることになったようだ。

民主方針転換、対テロ法案否決へ 衆院再議決で11日成立
民主方針転換、対テロ法案否決へ 衆院再議決で11日成立

2008年1月9日 20時16分「東京新聞

 民主党は9日午後、参院幹部が国会内で協議し、政府の新テロ対策特別措置法案を10日の参院外交防衛委員会、11日の参院本会議でそれぞれ採決し、否決する方針を決めた。共産、社民両党にも伝え、了承を得た。民主党の対案も同委員会で否決される見通し。民主党は両案いずれも継続審議にするとの方針を転換した。

この臨時国会の最大の山場で、きわめて重要な事柄が見えてきた。それは、民主党がいかに参議院で第一党であろうとも、単独過半数を持っているわけではないという単純な事実である。これは、きたる衆議院選挙で解散・総選挙をへて自民・公明政権が崩壊しても、野党連立政権を立ち上げなければ「政権交代」も実現しないということを意味する。理論的に言えば、衆議院で民主党が大幅な議席増となって躍進しても、参議院における議席配分が変わらない以上は、政権運営に他の野党の協力は不可欠ということになる。

社民党は、明日の参議院外交防衛委員会で政府案に反対し、民主党案の採決か継続提案があっても反対する。民主党からは、今日、テロ特別措置法についての趣旨説明があったが、「停戦合意」を自衛隊派兵の前提条件にしているものの「武器使用基準」を緩和していることや、「日本国憲法と集団的自衛権の行使」「国連軍の創設」につながる内容を含んでいることから、私たちが賛成することは出来ない。
憲法違反の「自衛隊派遣恒久法」への道を拓くことに加わるわけにはいかないということだ。

ただし、野党の間でもっと綿密に、より丁寧に意見交換をして、福田政権を解散・総選挙に追い込んでいくために私たちも前向きに対応していきたい。野党同士の意見の違いがある時には、今日のように遠慮なく表明するし、また他の野党の意見にも率直に耳を傾けるようにしたい。それが、しなやかで壊れることのない野党共闘の礎になると考えるからだ。






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