おお、「13・67」の陳浩基、「元年春之祭」の陸秋槎の短篇が載ってるじゃないの、と読み始める。
もちろんすばらしい作品がつまっているんだけど、ラストの島田荘司「相馬樓 雪の幻」を読んでびっくり。え、これって酒田が舞台なの?ってことはこの相馬楼って、酒田の料亭のあの相馬楼?
いやはや。ヒロインの名前が駒子ということからもお分かりのように、川端康成の「雪国」を徹底的に意識したこの作品には、酒田名物の船箪笥が重要なモチーフとして登場するのだ。
それだけではなく、最後の著者紹介でまたびっくり。妙に艶めかしい作品を寄せた石黒順子って、酒田出身だったのっ!中華作品がお目当てだったのに地元がらみで驚いてばかり。いやーしかしびっくりした。
えーと、そしてわたしはなぜかその相馬樓に所属する酒田舞妓にこの週末幻惑されていたのでした。この本のことを訊くべきだった!