Vol.11「さよなら、DJ」はこちら。
ファーストシーズン最終回。タイトルはシャーロック・ホームズの「最後の挨拶」からいただいている。
最後を飾るにふさわしく、ゲストスターは菅原文太。しかもとっておきの警察内部ネタで勝負。
警視庁で“神様みたいな人”と呼ばれる警視、木暮(こぐれ。もちろんメグレ警部を連想させる名前)を演じる菅原文太が渋い渋い。
文太の警察役といえば思い出されるのが笠原和夫~深作欣二のゴールデンコンビによる「県警対組織暴力」。
あの悪徳刑事がひょっとして生き残って捜査一課に異動していたら、こんな警視になっていたかも。
木暮は、孫娘の命をうばった男への復讐のために“自分のまわりには常に警察の目がある”状況を利用してアリバイをつくり……
警察官として誰からも尊敬される木暮と、有能ではあるが奇矯な性格で有名であろう(笑)古畑との会話は味わい深い。
木暮:おれはな、団体行動が苦手で……古畑、お前と同じだよ。
やっぱり古畑は警視庁捜査一課(百人以上の刑事がいる)でも有名なんだね。特にわたしが好きなのは、張り込みながら行われる木暮と古畑のやりとり。
木暮:(モスバーガーを差し入れる古畑に)古畑!おれはこんなこじゃれたものは食うたことがないよぉ。張り込みのときは握り飯と相場が決まっとったもんだがなあ。
まるで木暮が「仁義なき戦い」の広能に見える名調子。広島弁ギリギリです。特に“こじゃれた”は、以後のわたしの流行語になっています。
そしてラストの会話こそ、『警部補・古畑任三郎』に手応えを感じた三谷幸喜の勝利宣言だ。
木暮:確かに、お前に拳銃はいらない。
古畑:最高の、ほめ言葉です。
セカンド・シーズンにつづく。
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