異国情緒溢れる北アフリカのモロッコにやってきた謎めいた女アミー・ジョリー。彼女は酒場で歌手として働き始め、そこで外人部隊の青年トムと知り合う。アミーとトムは恋に落ちるが、嫉妬した上官によってトムはサハラの戦線に送られてしまう。一人残され絶望したアミーは、大金持ちの芸術家との結婚を決意。しかし、トムが戦場で深い傷を負ったことを聞いたアミーは全てを投げ出して彼のもとにかけつける……
スタンバーグ監督が“自らの創造品”とまで形容したディートリッヒのハリウッド進出作。クーパーとディートリッヒが“いい関係”になったものだからスタンバーグは嫉妬してさまざまな嫌がらせをクーパーにしかけ、激昂したクーパーはスタンバーグに殴りかかりそうに……ドラマそこのけの愛憎劇が撮影現場では行われたようです。ディートリッヒがそこに存在すれば、彼女に心を動かされないでいる方がむずかしいでしょうからわからなくはない。
驚異的なヒットを記録したこの作品は、日本初のスーパーインポーズ入りで公開され、活動弁士たちの職をうばうきっかけとなりました。その日本では現在、「シャッターアイランド」などで吹替版が人気。時代は変わりました。
※上映は5月21日(金)12:00、15:00 5月22日(土)18:00です。
地球儀のアップから舞台となるアフリカの場所が指し示されてドラマが開始。これは「カサブランカ」とまったく同様で、いかにアフリカが地の果てかを強調させる方策。
ストーリーのほとんどが酒場におけるドラマに限定されるのは、イスラムにおける孤島のようにそこに西洋が存在するから。なにしろ、イスラム教徒は飲酒を禁じられていますから。
高名なルージュの伝言やあのラストシーンですが、女性がハイヒールを脱ぎ捨てるという行為などには、当時はなにかセクシーな意味も付与されていたのでしょうか。時代が変わりすぎて、ちょっと想像もできない……
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