事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「魚影の群れ」 (1983 松竹富士)

2014-11-17 | 港座

相米慎二の常で、登場人物たちは歌を歌う。夏目雅子の「涙の連絡船」が、しかし離反した父親の愛唱歌だったあたりの苦さがすばらしい。

恋人の父親に認めてもらうために漁師となる喫茶店のマスター。気弱でいながら、だからこそ無理をする。

母が出奔したことで、自分に淫蕩な血が流れていることを常に意識する娘。

妻に逃げられた屈託をすべてマグロ漁にぶつける父親。

すべてが最後の“釣果”につながる。緒形拳夏目雅子佐藤浩市のいずれもがもちろんすばらしい。

十朱幸代は、その胸にも驚いたが、フェラチオを想起させるまでのシーンを相米にゆだねた根性がすごい。彼女の女優人生において、この映画がプラスにはたらいたかはわからない。しかし確実に、記憶に残る女優になった。

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